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二度の流産を乗り越えて、夫婦二人三脚で取り組んだ妊活について伺いました

第4回 2021/11/28放送
鈴木おさむさん

〜スペシャルインタビュー:HORACグランフロント大阪クリニック院長 森本 義晴さん〜

中村:今回のゲストは放送作家の鈴木おさむさんです。
うちの次男とおさむさんのお子さんが同年齢で、来年小学校ですよね。
どんなお子さんですか?

やりたいことをとことんやらせる子育て

鈴木:よく笑いますね。ほんとにのびのびと、好きなことをとにかくやらせて育ててます。

 

中村:お子さんが好きなことはなんですか?

 

鈴木:ゲームとYouTube。

 

中村:ゲームとYouTubeを徹底的にやらせているっていうことですか?

 

鈴木:そうなんです。うち、ネットがつながってるテレビなんですけど、2歳くらいから見せてたら、すぐにYouTubeを好きになって。3歳くらいから一緒にゲームをやって、YouTubeで動画見てってことを繰り返すようになってから、ほんとに好きになったみたいで。今は制限をしないでやらせています。

 

中村:ちなみに、1日どれくらいゲームをやっているんですか?

 

鈴木:うちは10時間やってもいいんですよ。

 

中村:将来的にお父様と同じようなお仕事につきそうな気がしますね。

 

鈴木:いや、やめていただきたいですね。

 

二人:(笑い)

 

中村:お子さんがお生まれになったのはいつですか?

 

鈴木:2015年の6月22日です。

 

中村:ご結婚されたのが2002年ですから、その間は夫婦ふたりの生活だったんですね。


※お笑いトリオ、森三中の大島美幸さんとご結婚

最初の流産から、妊活を一度お休みするまで

鈴木:うち、交際0日で結婚しちゃったんで、結婚してから関係を築いて本当の夫婦になっていったんです。それで、7年目ぐらいに「子ども欲しいね」なんて思ったら、普通に自然妊娠でできて、「ほら、すぐできる」みたいな感じだったんですよ。

 

中村:そうだったんですね。

 

鈴木:そのころはなにも知らなくて。
妊娠検査薬で検査して、できた瞬間に親に言ったり、森三中のメンバーにも言ったり、ビデオを回して「やったやったー」なんてやってて。
それが年末だったんですが、年が明けて3回目の健診に行ったときに妻がなかなか病院から戻ってこなくて、なんかいやな予感がして。やっときた電話をとったら妻が号泣してて、その時点ですべてを察して病院に迎えに行きました。ずっと人目もはばからず泣いて、そのときに初めて流産ということを伝えられました。
流産ってよく聞くし、確率もけっこう高いじゃないですか。

 

中村:はい、そうですね。

 

鈴木:自分の身に降りかかるまでは自分事にはならないんだって思って。ようやくそこで現実を知りました。
それから2年くらいたって、また自然妊娠で双子を授かったんですよ。けど、前回と同じ8週くらいで流産してしまって。そこで妻が「一回やめよう」って言ったんですよ。

 

中村:妊活というか子どもを?

 

鈴木:はい。うちの妻は芸人で体を張る仕事が多いんで、妊娠すると仕事ができないじゃないですか。本当だったら妊娠したら「おめでとう」なんですけど、「ごめんなさい」を言わなきゃいけないんですね。それで、仕事ができないことが妻の中ですごくストレスになって。
それで妻が「2年くらい仕事を徹底的にやりたい」って言ったんですよ。
今はとことん仕事して、子どもを作るタイミングを自分でちゃんと考えたいと言って、2〜3年仕事をやりましたね。
そのころ、妻が24時間テレビのマラソンの仕事で20キロ痩せて、その翌月から映画の仕事で20キロ太らないといけなくなって、体にすごく負担かかるじゃないですか。ただ、その仕事はすごくお世話になっている人に5年くらい前からオファーしてもらってた仕事で。
その話を夫婦でしたときに妻が、「来年は仕事を休もうと思う」って言ったんですよ。

妊活に向けて精子の検査を受けた結果

鈴木:うちの妻が「妊活」という言葉をどこかで知ったらしいんですが、そのときはまだメジャーな言葉じゃなかった。でも自分たちが「妊活休業する」って言えば、世の中の人が「妊活」って言葉を使ってくれるようになるんじゃないかな、と思って発表したんですよね。
それで妊活休業に入った後、妻に、「一個だけお願いがある、精子の検査行ってくれ」って言われたんです。

 

中村:それまで検査はしていなかったんですか?

 

鈴木:42歳でしたが、それまでしてなかったです。行ったのがけっこう有名なクリニックだったんですけど、朝から100人くらい並んでました。
最初、すごく好奇心があって、正直ノリノリで行ったんですよね。

 

中村:珍しいですよね。むしろ、「え、なんで僕が行かなきゃいけないんだよ」っていう方が多い中で、ノリノリで旦那様が検査に行ってくれるなんて、奥様からしたらすごくラッキーですね。

 

鈴木:あと自分の精子に疑いなんかなかったんで。

 

中村:自信があったからこそ行けたんですね。

 

鈴木:そうそう。それで、検査をしてみたら、形が「やや奇形」っていうところに丸がしてあって、運動率も悪いって言われて「あれっ?」みたいな。自分の精子が良くないんだって思ってびっくりしたんですよ。

妊活中のストレス

鈴木:検査のあと自分なりに精子のことを勉強して、ブログで発信したり仕事で関わっていく中で、人工授精をしたらたまたま1回で授かったんですよ。
でも、そのときにもタイミング法を2回やって人工授精を2回やって、ダメだったら来年から体外受精にいこうって決めてました。

 

中村:それは奥様とふたりで話し合って?

 

鈴木:僕の精子の状況や年齢ですね。先生にも「体外受精をなるべく早くおすすめします」って言われました。
結果、人工授精の1回目で妊娠できたんです。ただ、過去2回流産してるんで、6週、7週、8週…と、あまり期待してはいけないって思いがありました。あと、良いと言われるものがあったらすぐにやりましたね。

 

中村:そうなんですね。

 

鈴木:ただ、今までと違ったのは妊活休業を発表してから、妻が仕事を一切していなかったことです。
どの現場でも正直苦手な人はいるじゃないですか。うちの奥さんが「いやな人に会うのって、すごいストレスだったんだ」って言ってたんですよ。そういう気づきがあったり、森三中のメンバーのおかげもあって、妊娠中は楽な気持ちで過ごせましたね。

妊娠について知ってほしい、という想い

中村:おふたりが「妊活します」と発表したとき、本当に話題になって、知らなかった人たちが「妊活ってどうなの?」「子ども作るのってそんな大変なの?」と、話し合うきっかけになりましたよね。

 

鈴木:たくさんの人が知るきっかけになるといいな、と思ってました。
前に、妻が流産したときのことをエッセイに書いたんですけど、自分たちの体験を明るく伝えることによって、同じ悲しみを持った人が多少なりとも救われるんじゃないかとか。自分が「妊活」って世の中に言うことで、みんなの視線が集まるだろうと思って発信していました。
実際、男性よりも女性のリアクションがすごくて。「実はうちの旦那も精子がないんです」とか、そういう体験を言ってくれるんですよね。

 

中村:ここで、妊活をされている方の参考になればと思いまして、専門家の方にお話を伺っていますので、ご覧ください。

妊娠力を上げるためには?体を動かす意外なメリットとは?

〜スペシャルインタビュー:HORACグランフロント大阪クリニック院長 森本 義晴さん〜

森本先生

中村:おさむさんの話を聞いていると、常に前向きにとらえていらっしゃるという気もしますが、妊活中は落ち込んだりするときもあったんですか? 

妊活は夫婦ふたりで興味を持つことが大事

鈴木:妊活について、夫婦で興味を持って共有するようにしていました。妊活中は体を温めたほうがいいとか、いろいろなことをやってお互いに報告しあっていましたね。
妊活を奥さんだけのことにしてしまうと、誰にも悩みを言えず、ひとりで抱え込んで深みにはまってしまう。
こういうのを「悩み」ではなく夫婦の「テーマ」に変えて、ふたりで興味を持って話し合うだけで、ぜんぜん違うなって僕は思いますね。

 

中村:鈴木夫妻は理想的な妊活をされていると思います。どちらかというと、夫婦の熱量が違うことに悩んで、妊活中に夫婦仲が悪くなってしまう方も多いと思います。
男性が「積極的に知ろう」とか、「自分も検査に行こう」、と思えるようになるにはどうすればいいと思いますか?

男性の不妊について

鈴木:僕、子どもが生まれてから放送作家の仕事を1年休んだんですね。そのとき仕事の関係者に「1年仕事を休みたいんです」って言ったとき、「いや実はうちも不妊治療をしてたんだよ」とか、「うちも男性不妊だったんだよね」っていう人がけっこういたんです。でも、男の人は自分からは言わないんですよ。
本当は経験者が自分のつらかった体験を話して、男同士で気軽に話題にできると「自分ももしかしたらそうなのかもしれない」と思える。だから、僕は自分の周りの結婚した人に「精子の検査行ったほうがいいよ」とか言うんです。

 

中村:精子の数が少ないことが珍しいと感じてしまうと、男性も言いづらいですよね。でも、「割とたくさんいるし、普通のことなんだ」という感覚になれば、男性同士でも話し合えたり情報交換できたりするのでしょうが、まだまだでしょうか?

 

鈴木:今はまだまだですね。
もともと生まれもって精子が少ないっていう人もいるんですけど、いろいろな先生に聞くと、精子の数は多いけど、実は精子のDNAが切れてる人もいるらしいんです。そのせいで妊娠しなかったり、しにくかったりするんですよ。でも、それには原因があって。一番良くないって言われたのは喫煙。

 

中村:タバコですね。

 

鈴木:あとお酒と不眠、ストレス。つまり生活習慣を変えればよくなることもあるんですよね。

 

中村:ちょっとした心の入れ替えで改善されていくってことですね。

 

鈴木:やっぱりストレスって恐ろしいんですよ。

 

中村:気がついていない分、溜まっていたりしますからね。

 

鈴木:そうそう。だから奥さんや旦那さんがひとりで抱えるストレスもあるんだけど、妊活の悩みを夫婦の目標にしたり、夫婦が話せるテーマにするっていうのが、すごく大きいことなのかなと思います。
あとはやっぱり、食事やお酒とか食生活がすごく大事ですよね。

「赤ちゃんへ最初の贈り物」、あなたは何をプレゼントしますか?

中村:今日はすごくエネルギーをいただきました。
まだまだ子育ての話も聞きたいんですけれど、あっという間にお時間になりました。では、今日最後の質問をさせていただきます。
「赤ちゃんへ最初の贈り物」、あなたは何をプレゼントしますか?

 

鈴木:妻と僕と、そして仲間のたくさんの笑顔ですね。
子どもが生まれたときに「イッテQ」という番組で撮影してたんです。分娩室で子どもがお母さんの体から出てきた瞬間に、たくさんの仲間の笑顔があったんですね。それってすごい宝物だなと思います。

 

中村:心温まるお話で、最後ウルっとしてしまいました。本当にありがとうございました。

※ラジオ番組「エレビット presents 大切なあなた」をもとにwebコンテンツとして再構成しています。
 

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Last Updated : 2022/Jan/17 | CH-20220112-25