香川 靖雄先生
女子栄養大学 栄養学部 教授
(女子栄養大学大学院,女子栄養大学短期大学部,香川調理製菓専門学校)
東京大学大学院 第二基礎医学 博士課程修了 博士。生体エネルギー学、人体栄養学、分子生物学を専門とし、栄養学に関する著書多数。 1996年4月紫綬褒章(第2552号)、2006年11月瑞宝中綬章(第11846241号)を受賞。栄養学に関するテレビ出演多数。
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厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020」によると、食事から葉酸を過剰摂取することによる健康障害の報告は存在しないと考えられています。
なお、サプリメントなどに含まれる葉酸(非天然型のプテロイルモノグルタミン酸)については、大量(1,000μg〜10,000μg)に摂取するとかゆみ・呼吸障害などの葉酸過敏症を起こすことがあると考えられています。
また、葉酸摂取とこどもの喘息・喘鳴(ぜんめい:呼吸をするとヒューヒューなど音がすること)・アレルギー性疾患発症の関連を報告した論文もありますが、日本産科婦人科学会が公開している「産婦人科診療ガイドライン 産科編2020」によれば、葉酸摂取がこれら疾患の発症リスクを上昇させるというエビデンスはない、としています。
厚生労働省推奨の葉酸摂取上限値※は、サプリメントでの葉酸摂取のみ上限があり1日1,000μgまでです。食事に含まれる葉酸摂取に上限は定められていません。
※ サプリメント等、通常の食品以外の食品から摂取する葉酸の1日耐容上限量は15~29歳で900μg、30~64歳で1,000μg
厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書
※上限値:耐容上限量を指し、健康障害をもたらすリスクがないとみなされる摂取量の上限として定義されています。