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産後ママの心とからだ作り講座

「何よりもママが笑顔で健康であるために~産後を振り返って~」

前編:必死だった産後、どのように産後を乗り越えるか

英ウィメンズクリニック 十倉 陽子先生に、産後ママの健康について聞いてみました。

後編:産後について社会的な問題だなと思うこと

一人目の子の産後はとにかく必死

1人目の産後は、本当に毎日が必死でした。慣れない頻回の授乳、お宮参り、お食い初めなどの節目の手配だけでも目まぐるしくて、赤ちゃんは接種しなければいけないワクチンもたくさんありますから書類を埋めるのも一苦労、やっと慣れてきて落ち着きかけたところに離乳食が始まって・・・、全てが初めてのことで、こなすだけでも精いっぱいで疲弊していました。なのに、疲れの原因はわからず頑張るしかない。今思えば、産後についてもっと知識があって、事前に対策ができていたら1人目も産後をもうちょっと楽しめたんじゃないかなと思います。

一人目の子の産後はとにかく必死

産後のお母さんは何を食べている?

産後の皆さんは何を食べていますか?
赤ちゃんの睡眠リズムが落ち着くまでは、日中も睡魔と戦いながら育児をして、夜も自分の睡眠時間を確保するために急いで白ご飯を食べたりと、丁寧なご飯作りなんてしていられないですよね。そもそも産前のご飯ですら、栄養バランスよくとはいきません。私の診察に来られる方に普段の朝ごはんについて聞いてみると、コーヒーだけ飲んで食べずにお昼まで過ごす、コンビニで菓子パンを買って出社してジュースで流し込む、「バナナ?食べる暇ないです。」なんて回答をいただくこともあります。私自身、朝と昼に同じものを食べてしまうこともよくあります・・・。子どもがいると自分のご飯はどうしても二の次になってしまいますし、栄養満点でバランスの良いものを3食用意して食べるのって本当に難しいです。産後のお母さんは本当に大変ですので、旦那さんの協力体制も大事ですよね。

産後に重要な栄養って?

カルシウムや鉄が必要なのはもちろんなのですが、マルチビタミンミネラル、全ての栄養素が必要ですね。ちょっと想像していただきたいのですが、授乳しているお母さんでしたら、ご自身の体で母乳を作っています。つまり、ご自身の体の中の栄養素をもとに母乳を作っていることになります。粉ミルクのパッケージの裏の成分表を見てみてください。カルシウムだけではないですよね。この成分全部がお母さんの体の中から吸い取られていくようなものですから、授乳中のお母さんは特に、できるだけ食べて栄養をどんどん補給して欲しいと思います。

第4子の産後は、今までとは違った!

実は1人目から3人目までは毎回、産後に1本ずつ歯が欠けてしまっていたんですよ・・・。第4子の今回は高齢出産でしたので、妊娠前から産後まで全力で栄養対策をして出産にのぞもうと思い立ちまして、初めて葉酸マルチビタミンミネラルサプリメントを妊娠途中でやめずに産後の現在も飲んでみています。現在産後6ヶ月ですが、一人目の子と比べると慣れもあるかもしれないんですが自分自身の体がとても元気だなと感じています。栄養補給はあなどれないなと痛感しました。つい先日歯科検診をしてきましたが、今回歯は無事でした。でも、妊娠中ずっと葉酸マルチビタミンのサプリメントを摂った方が良いという情報はあまり知られていないですよね。そして産婦人科でも妊娠10週過ぎるころにはもう葉酸やめてもいいですよと言われてしまったりして、ついついもういいかと飲まなくなってしまう。

でも、一方で厚生労働省の食事摂取基準では、妊娠前より妊娠中、中後期も含めて通常時よりももっと栄養をとりなさいよとちゃんと書いてあるんです。つまり、妊娠前の通常時よりも食事で栄養素を多くとるか、サプリメントを上手く使うしかないんですよね。

第4子の産後は、今までとは違った!

いつまで産後のサプリメントを摂りますか?

以前、遺伝子検査を行ったことがあり、私自身は体質的に葉酸をうまく体内で利用できるタイプでないことがわかっていますので、今後も葉酸マルチビタミンのサプリメントは続けていきたいですね。特に、ホモシステインはエイジングでどうしても増えるものですから、対策をしっかりとしたいと思います。「産後」って、子育て中ずっとを指す言葉だと思うんです。子どものことが優先になり自分の栄養はおろそかになりがちなので、食事にも気を付けつつ、サプリメントを上手に取り入れていきたいと思います。子どもの健康も勿論大事ですが、母として自身も心身ともに元気でいることが現在の目標です。

十倉先生

英ウィメンズクリニック
女性医学部門長 
十倉 陽子 先生

2005年関西医科大学医学部卒業後、東京北社会保険病院で臨床を受ける。その後、帝京大学医学部附属溝口病院 産婦人科へ入局。母子愛育会総合母子保健センター 愛育病院、帝京大学医学部附属溝口病院 産婦人科を経て、2011年より英ウィメンズクリニック勤務、2012年8月より現職。上記在職中に4回出産。

Last Updated : 2024/Sep/24 | CH-20240826-08