エレビット

トップ>妊娠TOP>【医師監修】妊婦栄養研究レポート

【医師監修】
妊婦栄養研究レポート

バイエル薬品は、一般社団法人ラブテリと共同で、妊婦の栄養素摂取状況の実態を把握し、食生活やライフスタイル等が妊娠各期の栄養素摂取量への関連を検証するための調査研究を実施しました。

妊娠各期に必要な栄養素についてまとめたレポート「コロナ禍妊婦栄養研究白書」をご紹介いたします。

佐藤 雄一 先生​

佐藤先生

産科婦人科舘出張佐藤病院院長​
佐藤病院グループ代表​

順天堂大学医学部大学院卒業。生殖内分泌や腹腔鏡手術が専門。年間約1500件の分娩に携わり、プレコンセプションケアの観点から食事や栄養、運動など生活習慣の大切さを指導している。

赤ちゃんにとって大切な「人生最初の1000日」

「人生最初の1,000日」とは、
ママのおなかの中で、精子が卵子と出会い着床し、赤ちゃんが生まれて2歳の誕生日を迎えるまでの期間です。

この大切な1,000日間に赤ちゃんにしっかりと栄養を与えてあげることで、赤ちゃんの成長や将来の学ぶ力の基礎をつくります。

詳しくはこちら

妊娠期・産後・授乳期に必要とする栄養素

妊娠期・産後の授乳期まで、妊婦さんとママは、いつもより多くの栄養素を摂る必要があります。
そして、実は時期によって必要な栄養素が変わるため、今、自分にとって補充しないといけない栄養素は何かを知っておくことが大切です。

妊娠期・産後に必要なビタミン

1日に推奨される栄養素の摂取量表(ビタミン)

  18〜49歳
女性
妊婦 授乳婦
妊娠初期 妊娠中期〜後期
葉酸 240μg 食事 240μg
+ サプリ 400μg
480μg 340μg
ビタミンD 8.5μg 8.5μg 8.5μg
ビタミンC 100mg 100mg 145mg
ビタミンE 5.0mg 6.5mg 7.0mg
ビタミンB1 1.1mg 1.3mg 1.3mg
ビタミンB2 1.2mg 1.5mg 1.8mg
ビオチン 50μg 50μg 50μg
ビタミンB6 1.1mg 1.3mg 1.4mg
ビタミンB12 2.4μg 2.8μg 3.2μg

妊娠期・産後に必要なミネラル

1日に推奨される栄養素の摂取量表(ミネラル)

  18〜49歳
女性
妊婦 授乳婦
妊娠初期 妊娠中期〜後期
月経あり10.5mg 9mg 16mg 9mg
カルシウム 650mg 650mg 650mg
マグネシウム 270mg 18〜29歳 310mg
30〜49歳 330mg
270mg
亜鉛 8mg 10mg 12mg

妊婦さん・ママが不足しがちな栄養素

このようにさまざまな栄養素をいつもより多く摂る必要がありますが、調査によって、多くの方が栄養が足りていないことがわかってきました。

※1 日本人の食事摂取基準2020(18-29歳、身体活動レベルⅡ、推定エネルギー必要量(kcal/日))
※2 鈴木瞳, 他. 聖路加国際大学紀要 8 (2022): 105-110.

赤ちゃんの成長と妊娠の維持に重要とされる栄養素の摂取量を妊娠初期•中期•後期のステージ別で調査したところ、後期に向けて摂取量を増やしていく必要がある炭水化物やステージ別に付加量が定められている栄養素(葉酸•鉄)が赤ちゃんの成長に応じて摂取量が増えていないことが明らかになっています。

妊婦さんが不足しやすい栄養素ランキング

妊娠中にとくに不足させやすい栄養素を全ステージとそれぞれのステージに分けて調査した結果、上位の栄養素が明らかに。赤ちゃんの成長と妊娠の維持のため、食生活を見直す必要性があることが示されました。

赤ちゃんの成長にとってとくに大切な栄養素 
全ステージ不足率ランキング

赤ちゃんのために食生活を見直す必要

妊娠初期•中期•後期で鉄やたんぱく質の不足 率が付加量の影響でマイナスが顕著になり、 変動するものの、不足率の高い栄養素は全ス テージにおいてほぼ同じ栄養素でした。それぞ れの栄養素を豊富に含む食材は、魚介類•肉 類•卵類•大豆製品•乳製品•海藻類•穀類•ナ ッツ類・野菜•果物と異なるため、バランスの良 い食生活が求められます。妊娠初期から後期に 向けて食事量を増やす必要性がありますが、これも十分な量がとれていないため、量的にも質的にも赤ちゃんの成長と妊娠の維持のために食 生活を見直す必要があり、どのような栄養をど のような手段でどれくらい食べればよいかの情 報提供や栄養指導が行われることが望ましい 環境といえるでしょう。

表記にない栄養素も不足

ビタミンAの次に不足している栄養素にはビタ ミンDやたんぱく質があります。また、栄養素ではないものの各ステージで上位にランクインしていたのは食物繊維でした。体重管理(血糖値管理)と便秘予防に必須ですが、高い不足率になっています。

それぞれの栄養素の詳しい解説や産婦人科医によるコメントをご紹介

妊娠中、摂取を心がけるべきである葉酸、鉄、DHA、ビタミンDについて、それぞれの栄養素がなぜ妊婦さんや赤ちゃんのために重要なのかを、レポートを監修いただいた佐藤雄一先生(産科婦人科舘出張佐藤病院院長、佐藤病院グループ代表)に解説していただきました。

※ バイエル薬品(株)から佐藤雄一先生に依頼をし、頂いたコメントを編集して掲載しています。

    妊娠前から妊娠初期に食事からの摂取のみだけではなくサプリメントからの摂取も同時に行うことが望ましいとされる栄養素として知られています。葉酸は妊娠を維持するためや胎児の先天異常である神経管閉鎖障害の発症リスクを低減するために必要な栄養素です。

    佐藤雄一先生コメント:
    今回の調査によると、多くの妊婦さんが食事から十分に摂取できていないことがわかりました。葉酸不足は、悪玉アミノ酸であるホモシステインを体内にためてしまいます。ホモシステインは妊婦さんにも悪影響を及ぼすため、葉酸サプリメントは妊娠前・妊娠初期はもちろん妊娠期間を通じて活用することがすすめられます。

    日本女性の“鉄欠乏症貧血”は5人に一人と多く、妊娠後期には約5割もの妊婦が貧血を経験する*2ともいわれています。母体の鉄欠乏は早産リスクや低出生体重児リスクを高めてしまう原因でもあり*3、妊娠期を通して、摂取することが望ましい栄養素です。

    佐藤雄一先生コメント:
    もっとも多くの妊婦さんが不足していた鉄は貧血や産後うつのリスクになるともいわれています。鉄は充足するまである程度時間がかかるので、早い段階から継続して十分に摂取するとよいでしょう。

    妊娠中胎児の脳は急激に成長していくため、その材料となるDHAはより多く必要となります。国民健康・栄養調査によりn-3系脂肪酸(オメガ3)として妊婦の摂取量は把握できますが、DHAの摂取量は不明でした。今回の調査で国際機関の基準*4からは足りていないが3割程度だということが判明しました。

    佐藤雄一先生コメント:
    DHAは赤ちゃんの脳や視覚の発達に必要であるとともに、早産のリスクを減らすといった報告もあり、妊娠中は非常に重要な栄養素です。おもに魚から摂取できる栄養素ですが、今回の調査で妊娠初期につわりがあると摂れなかったという結果が出ました。妊娠中、思うように食事から摂れないときは、サプリメントを活用するのもひとつです。

    ビタミンDは骨や歯の健康や妊娠合併症など母子の健康と成長に必須の栄養素です。日光を浴びて生成される方が食事からの摂取量よりも血中濃度を左右しやすいのが特徴です。

    佐藤雄一先生コメント:
    コロナ禍で外出機会が減少し、日光浴の頻度が低くなり、半数以上が不足・欠乏の可能性がありました。日焼け止めの使用でもビタミンDの生成量は少なくなります。母子の健康のために、適度な日光浴とビタミンDの摂取を妊娠中から産後にかけて呼びかけていく必要性を感じました。

    * 1:不足率は本調査から得られた全妊娠期を通じての数値。(「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の妊婦推奨量に対して。DHAのみ国際機関の基準*4に対して。
    * 2:渡辺優奈, et al. "妊婦の鉄摂取量と鉄栄養状態の縦断的検討." 栄養学雑誌 71.Supplement1 (2013): S26-S38.
    * 3:小檜山敦子, and 成田みゆき. "妊産褥婦の貧血に関する国内の文献検討." 東京医科大学看護専門学校紀要 25.1 (2016): 1-9.
    * 4:Joint, F. A. O. "Fats and fatty acids in human nutrition. Report of an expert consultation, 10-14 November 2008, Geneva." (2010). 

    サプリメントによる補充

    妊娠初期・中期・後期のステージによって、妊婦さんと赤ちゃんにとっていつもより多く摂る必要がある栄養素は変わっていきます。
    しかし、つわりや、体の変化しつつ、さらに毎日の食事も気を付けてながら栄養バランスを整えるはとても大変です。
    そんな時は、サプリメントによる栄養補充がおすすめです。

    まとめ

    本調査研究を通じて、妊婦さんは、妊娠中に重要な栄養の不足状態は続いていることがわかりました。バイエル薬品は妊婦さん・赤ちゃんの健康のためマルチビタミンサプリ「エレビット」を通してサポートしていくとともに、妊娠に関わるすべての方々に役立つ情報提供に努めていきます。

    詳しい調査結果や栄養素の解説については、レポート(PDF)をダウンロードしてお読みいただけます。

    PDFダウンロード

     

    【 調査方法 】 
    妊娠中の女性を対象にライフスタイルに関するアンケート(※1)、栄養摂取状況・食品摂取状況の結果(※2)を実施し、集計
    ※1:居住都道府県、年齢、身長(cm)、体重(kg)、妊娠前体重(kg)、活動量、サプリメント使用状況、鉄剤服用有無、妊娠悪阻有無・程度、家族構成、調理スキル、自身の栄養状態への自覚、ビタミンD欠乏状態(※3)、産後の栄養法に対する意向、ヘルスリテラシー(※4)など
    ※2:東京大学 佐々木敏教授による簡易型自記式食事歴法BDHQ:brief-type self-administered diet history questionnaireをオンライン版に構築されたものを利用
    ※3:「J Bone Miner Metab. 2019 Sep;37(5):854-863.」より引用改変
    ※4:「高泉佳苗, et al. 日健教誌.2012; 20(1): 30-40.」

    【 調査期間 】  2021年12月〜2022年5月
    【 解析対象 】 677名
    【 調査地域 】  全国47都道府県

    今回の調査により、妊娠中の女性の多くは必要な栄養素が不足しがちであることが明らかになりました。1日の食事の写真をアップロードして普段の食事からどれだけ栄養が摂れているかチェックできるツールを使ってみるのもおすすめです。

    食事の栄養バランスチェック

    エレビット会員になりませんか?

    エレビット会員のメールマガジン・ LINE友だちは、妊活中の栄養バランスや排卵日、妊娠中に必要な栄養素などについてもっと学べる情報をお届けいたします。

    メールマガジン登録へ

    LINE友だち追加

    Last Updated : 2023/Jul/21 | CH-20230703-14