トップ>妊娠TOP>妊娠中に知っておきたいこと>妊婦さんの「悩み」に関するコラム> 妊婦さんにおすすめの靴はどれ?ヒールがあるとNG?
【看護師監修】妊婦さんにおすすめの靴はどれ?ヒールがあるとNG?
妊娠すると、「転んでしまわないか」と外出時の足もとが気になりはじめるでしょう。
靴を正しく選ぶことで、転倒などの事故防止や、腰や背中の痛みの予防・軽減に役立ちます。靴の種類やヒールの高さなど、妊婦さんの靴選びのポイントをご紹介します。
靴選びの前に知っておきたい、妊婦さんの体の変化
妊婦さん特有の体の変化によって、転倒しやすくなったり、体に痛みが出たりすることがあります。まずは原因について知っておきましょう。
- 体型と重心の変化
妊婦さんは妊娠の経過とともにおなかが大きくなり、体の重心が変化します。そのため姿勢のバランスが取りにくくなり、転倒の心配が増えます。 さらに、姿勢の変化によって筋肉や背骨への負担が増し、腰や背中が痛むことがあります。 - ホルモンの変化
妊娠中に分泌されるホルモン「リラキシン」は、出産に向けて骨盤周りのじん帯を緩める作用があり、妊婦さんの骨盤は不安定な状態になります。そのため背中や腰周りの筋肉に負荷がかかりやすく、腰痛や恥骨痛などの原因になるといわれています。
そこで重要なのが足元をしっかり支え、守ってくれる靴選びです。
妊婦さんの靴選びのポイント
以下のようなポイントを意識して靴選びをしましょう。見た目やサイズ表記だけではわからないことも多いので、できるだけ実際の履き心地を試してみることをおすすめします。
- サイズが合うもの
足の甲が密着し、足先にゆとりがあって指がきつくないものがおすすめです。自分のサイズより大きい靴も、小さい靴も転倒の原因になります。 - ヒールが2~3cmのもの
ヒールのないフラットシューズをはいたほうがよい、と思われる方もいるかもしれません。しかし、ヒールのない靴は背中の痛みや疲労の原因になる可能性が指摘されています。
2~3cmのヒールをはくことで、足への負担が減る可能性があるという報告もあります。また、ふくらはぎの負担が減ると、こむら返りの軽減につながる可能性もあります。ヒール部分が太めで安定感のあるローヒールタイプがおすすめです。 - 靴底に滑り止めのあるもの
雨や雪の日に、靴底に滑り止めのない靴をはくのは危険です。天気がよくてもタイルが水で濡れていた場合など、転倒の原因になります。靴底に滑り止めのある靴を選ぶと安全性が高まるでしょう。 - 着脱しやすいもの
靴の着脱のためにかがむと腰に負担がかかりやすくなります。履き口がしっかりとした靴をおすすめします。 - 疲れを感じにくいもの
妊娠中(特に後期)には、体重増加や足のむくみで足が疲れやすくなります。クッション性があるものなど、疲れを感じにくい靴を選ぶとよいでしょう。
妊婦さんが避けたい靴のポイント
- 脱げやすいデザインのもの
ミュールやサンダルなど、足を包み込む部分が少ないデザインは、思わぬタイミングで脱げる可能性があります。バランスを崩して周囲にぶつかったり、転倒したりする原因になります。 - ヒールが高いもの・細いもの
高過ぎるヒールは、体の重心が前に偏り姿勢が悪くなりやすいため避けましょう。
2〜3cmのほどよい高さのものでも、ピンヒールやコーンヒール(アイスクリームのコーンのように円錐型をしたヒール)のような底面積の少ないデザインのものは、バランスを崩しやすいため避けましょう。また、ヒールが細いと、側溝やマンホールのフタの穴に挟まるなど転倒の可能性も高まります。 - 靴ひもを結ぶもの
スニーカーや編み上げブーツなど、ひもを結ぶ際にかがむ必要がある靴は、おなかが大きくなると着脱に苦労します。ベルトで止める靴、ファスナーの付いた靴も避けましょう。脱ぎ履きが楽なスリッポンタイプがおすすめです。
妊婦さんの安全は足元から
靴選びは妊婦さんの安全を支える大事なアイテムです。
ついデザインを重視しがちですが、ご自身とおなかの赤ちゃんを守るために機能を第一に選びましょう。おなかが大きくなる前から靴を見直すと安心です。
妊婦さんの外出について不安なことがあれば、かかりつけの医師に相談しましょう。
この記事は2021年9月17日時点の情報です。
※2024年1月 株式会社RJCリサーチ調べ インターネット調査 調査対象:産婦人科、産科、婦人科、生殖医療関連診療科 150名
Last Updated : 2022/Apr/5 | CH-20220328-12