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妊婦さんは医療保険に入ったほうがいい?入れない場合もあるって本当?
妊娠・出産に対して、思わぬ長期入院や出産時のトラブルなどを思い浮かべる方は少ないでしょう。しかし、帝王切開の割合が3人に1人、妊娠・出産時の合併症発生の割合が2人に1人ともいわれる中、妊娠中に医療保険へ加入したほうがいいのでしょうか?詳しくみていきましょう。
妊娠・出産に必要な費用はどれぐらい?
正常分娩なら自己負担が軽いことが多い
妊娠経過に問題がなく、出産も正常分娩(妊娠37週0日から妊娠41週6日までに、帝王切開などの医学的な処置の必要なく終えた出産)だった場合、健診費用や出産費用は全額自己負担になります。
その金額は、妊婦健診で平均で約10万円、出産費用は平均で50万円ほどかかります。
しかし、各自治体が妊婦健診の無料券や補助券を発行してくれたり、健康保険に加入していれば、出産育児一時金42万円が支給されたりと、さまざまな公的な補助を受けられます。
そのため、平均的な出産費用の病院であれば、大部分の費用を負担しなくてよくなります。
ただし、出産費用が100万円近く必要な病院もあるため、出産費用がどれぐらい必要かを事前に確認しておくと安心です。
帝王切開は思わぬ出費が重なることも
切迫早産で長期入院になったり、妊娠糖尿病の管理入院になったり、胎児の状態が良くなく帝王切開になったりと、妊娠・出産には思わぬトラブルがおきることがあります。
そうなった場合には公的医療保険が適用され、治療費や入院費が全額負担ではなく、3割負担で済みます(帝王切開の場合は、手術費用や入院費は3割負担ですが、分娩介助料、新生児管理保育料など一部の費用は全額自己負担です)。
ただ、入院費や出産費用が全額負担にならないものの、治療費や差額ベッド代(個室や4床以下の病室を希望した場合にかかる、健康保険から支給される入院料との差額)などで費用が多くかかる場合があります。一定の金額を超えると高額療養費制度の対象になるものの、家計への負担になるのは避けられません。
また、入院が長引くことで大きく収入が減ったり、上の子の預け先確保のために出費が増えたりと、さまざまな面で金銭的な負担が増えることもあります。そのため、もしものときに備えて医療保険に加入しておくのもひとつの方法です。
民間の医療保険ではどんな保障が受けられる?
民間の医療保険では、入院給付金と手術給付金という2つの給付金があります。
入院給付金
入院給付金は、病気やケガで入院したときに保険会社から支払われるお金です。入院によってかかった費用や、入院期間中の収入減をカバーできます。入院1日ごとに5,000円~15,000円を受け取れる保険商品が多いようです。
手術給付金
手術給付金は、病気やケガで給付対象になる手術を受けたときに、保険会社から支払われるお金です。まとまった金額が支払われるので、手術費や入院費の支払いの助けになります。
保険金の給付対象は、保険会社や保険の種類によって異なりますが、多くの場合、正常分娩では給付が受けられなくなっています。
ただし、産科合併症の治療や、帝王切開を受けた場合に、入院給付金や手術給付金を受けられる保険商品があります。
例えば、1日あたり10,000円の入院給付金と、手術1回に付き10万円の手術給付金(帝王切開も対象)を受けられる保険に入っていた場合、帝王切開になって7日間入院すると、17万円の給付金を受け取れることに。
保険に加入するときには、給付対象や給付金額、給付期間など内容を必ず確認しておくと安心です。
妊婦は民間の医療保険に入れる?
妊娠中でも入れる民間の医療保険はあります。
しかし、妊娠週数によっては医療保険に加入できないものもあり、妊娠19週までの加入が条件になっているものが多いようです。
週数にかかわらず入れるものもありますが、加入はできても、妊娠や出産に関して一定期間は保障しないという条件がついているものもあるため、契約前に条件を必ず確認することが大切です。
また、妊娠経過や妊娠合併症の有無、妊娠・出産歴、既往歴や手術歴などによって加入できなかったり、給付の対象外になったりする場合があります。
医療保険に入ることができても、給付が受けられなかったということがないように、加入条件や保障内容をよく確認しましょう。
家計とのバランスを考えつつ備えましょう
正常分娩の場合は自己負担が軽いですが、長期入院になったり、帝王切開などの異常分娩になったりした場合、予定より負担が増す場合があります。
家計とのバランスを考えながら、費用面での準備もしておくと安心です。その備えのひとつとして、医療保険を検討してもよいかもしれません。
入院や分娩の費用について心配なことがあれば、出産予定の産婦人科で確認してみましょう。
この記事は2021年12月16日時点の情報です。
※2024年1月 株式会社RJCリサーチ調べ インターネット調査 調査対象:産婦人科、産科、婦人科、生殖医療関連診療科 150名
Last Updated : 2021/Dec/16 | CH-20211215-11