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【医師監修】妊婦が自動車の運転で気をつける4つのこと。シートベルトはどうする?

通勤や妊婦健診の受診、買い物など、日常的に自動車を利用する妊婦さんは多いことでしょう。妊娠中に車を運転するときや乗車するとき、気を付けたいポイントが4つあります。妊娠中の車の乗り方について、詳しく見てみましょう。

妊娠中の自動車の事故遭遇率は3%以上


海外の報告では女性ドライバーが関与した交通事故発生数は妊娠前に比べて妊娠中期で1.4倍に増加すると報告されています。我が国での実態は不明ですが、妊娠中に自動車事故にあう割合は少なくとも3%以上と言われています。100人中3人以上の割合ですので、決して他人事ではありません。
特に妊娠中はお腹が大きくなり、体重が増えているため、事故の衝撃はより大きくなります。妊婦さん自身が運転している場合、ハンドルが子宮の高さに位置しているために、衝突の衝撃で腹部を打撲し破水や胎盤早期剥離、子宮破裂などの原因となる可能性もありますので注意が必要です。

自動車事故にあってしまったら、大きなケガをしていなくても産婦人科へ


自動車事故直後には何も異常を感じなくても、時間が経ってから痛みなどの不調が出てくる場合があります。母体に明らかな外傷がない場合でも、産婦人科を受診し診察を受けることをおすすめします。
事故後に病院で検査や治療を受ける場合に、必要に応じて放射線を用いる検査や、薬による治療が行われる場合もあります。検査や薬の胎児への影響を心配される方も多いと思いますが、原則として必要な検査や治療であれば受けることがすすめられます。状態に応じて可能な限り、影響の少ない方法へ変更することができる場合もありますので、必ず受診先の病院で妊娠中であることを伝えてください。

事故による影響を減らすためにできること


事故は突然ふりかかります。事故による影響を減らす方法を見てみましょう。

 

シートベルトの着用


妊婦さんも、シートベルトを必ず着用することが大切です。前述のようにハンドルによる子宮打撲を防ぐためにもシートベルトは有用です。着用する際には子宮の圧迫を避けるために、下記の通り着用しましょう。

  • シートの背もたれは倒さずに、シートに深く腰掛ける
  • 腰ベルトと肩ベルト、どちらも着用する
  • 腰ベルトは、お腹のふくらみを避けて、腰骨のできるだけ低い位置でしっかり締める
  • 肩ベルトは、首にかからないようにして、胸の間を通し、お腹の側面を通す
  • バックルの金具が確実に差し込まれているか、ベルトにねじれがないか確認する

上記の方法でも、お腹が圧迫される場合や、圧迫感がある場合は、マタニティ用のシートベルトを使用してみましょう。

 

後部座席もシートベルト着用


座席位置は後部座席のほうが安全なイメージがありますが、シートベルトを着用しないと運転席や助手席よりも亡くなる可能性が高くなります。車内で前席やドアなどにからだを叩きつけられる、車外に放り出され後続車両にひかれるなど、命に関わります。
高速道路に限らず、一般道でも全席シートベルト着用を心がけましょう。

 

注意散漫になりやすいことを自覚する


妊娠中は、つわりや全身のだるさ、睡眠障害、注意力の低下が起こりやすい状態であり、事故の確率が高くなります。また、どれだけ自分が気をつけて運転していても、不注意や無謀な運転による事故に巻き込まれてしまう可能性もあります。万が一に備えてシートベルトの着用や車両の安全装置の確認を行ってください。

 

もし事故に遭ったら警察への届け出と病院受診を


事故に遭ってしまったら突然の出来事に動転してしまい、正常な判断が出来ない方が大半です。たいした事故ではないと思っても警察への届け出は必ず行いましょう。
事故直後は興奮状態のために痛みやめまいなどを感じにくいことも多いです。なんともないと思っても時間が経ってから身体の不調が出てくる場合もあります。妊娠への影響も否定はできません。早めに医療機関を受診して診察を受けましょう。

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事故への備えは万全に


意識して事故を起こす人はいませんし、事故にいつあうかはわかりません。しかし、事故による影響を減らすことはできます。上記の4つのポイントを覚えておきましょう。
里帰り出産などで、長時間車に乗る場合は特に注意が必要です。突然の破水や陣痛などで運転ができなくなる可能性もあります。パートナーに運転をしてもらうか、休憩時間を多めにとって無理のないスケジュールで運転するなど、妊婦さん自身の負担が少ない方法を考えましょう。
妊娠中の車の運転について、疑問や不安なことがあればかかりつけの医師に相談しましょう。

この記事は2021年10月6日時点の情報です。
 

監修者

三宅 貴仁先生

三宅 貴仁先生

三宅医院 院長
2001年川崎医科大学医学部卒業、大阪大学医学部産婦人科入局。
2008年大阪大学大学院修了、大阪労災病院産婦人科医長を経て、2011年The University of Texas MD Anderson Cancer Center (USA) 留学。2014年川崎医科大学産婦人科講師を務め、2016年三宅医院院長。
現在、三宅医院グループ(三宅医院、三宅医院問屋町テラス、三宅おおふくクリニック、三宅ハロー歯科)代表。
三宅医院では出産がゴールでは無く新しい家族との生活の始まりとして、分娩のみならず産後の育児支援に力を入れている。

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Last Updated : 2021/Sep/30 | LMR-CH-20210714-06