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【医師監修】骨盤位(逆子)は治せる?出産はどうなる?
健診で骨盤位(逆子)と診断されたら、「赤ちゃんは大丈夫?」「出産はどうなるの?」と不安になるでしょう。骨盤位(こつばんい)とはどういう状態なのでしょうか?また、治す方法はあるのでしょうか?詳しくみていきましょう。
骨盤位(逆子)とは赤ちゃんの頭が上にある状態
赤ちゃんの向きは、頭が下にある「頭位(とうい)」という状態が正常です。
しかし、頭が上で、足やお尻が下になることがあります。この状態を「逆子(さかご)」や「骨盤位(こつばんい)」といいます。
骨盤位(逆子)は自然に治ることがある
妊娠30週ぐらいまでは、赤ちゃんも小さく、子宮の中には動き回るスペースがあるので、赤ちゃんはおなかの中で自由にくるくると動き回っています。そのため、妊娠週数の早いうちの骨盤位は心配ありません。その後、妊娠32週くらいになると赤ちゃんが大きくなって子宮の中で動きづらくなり、自然と頭を下にした状態に定まってきます。
妊娠37週の時点で、骨盤位になっている割合は3%ほどといわれています。
骨盤位(逆子)の原因は?
骨盤位になる原因には諸説ありますが、まだよくわかっていません。
骨盤位(逆子)の出産方法は帝王切開がほとんど
骨盤位の場合、経腟分娩(けいちつぶんべん)では以下のような心配があるため、帝王切開になることがほとんどです。
出産のときに赤ちゃんがけがをする
赤ちゃんは体幹よりも頭が大きいです。頭位の場合、一番大きな頭が産道を通過した後にそれより細い身体が出てきますが、骨盤位の場合、身体が産道を通過した後にそれよりも大きな頭が産道に引っかかることがあり、その結果、鎖骨や腕などを骨折する心配があります。また、赤ちゃんの首に負担がかかることで、腕の神経が一時的にマヒすることも考えられます。
へその緒が赤ちゃんより先に出てしまう
おしりや足が下になることで骨盤の壁との間にすき間ができやすく、破水した場合へその緒が赤ちゃんよりも先に出てしまう可能性があります。へその緒が赤ちゃんと産道に挟まれると、赤ちゃんに酸素が届かなくなることも心配されます。
出産に時間がかかる
頭位での出産に比べて、陣痛が弱く、出産まで時間がかかることがあります。時間が長くかかれば、赤ちゃんへの負担も大きくなります。
経産回数、赤ちゃんの推定体重や状態、週数によっては経腟分娩ができる病院もありますが、骨盤位は原則帝王切開と決まっているところも少なくありません。経腟分娩中に、赤ちゃんの異常が確認された場合、緊急帝王切開に切り替わります。
骨盤位(逆子)を治す方法はある?
外回転術
外回転術とは、妊娠末期に、医師の手で妊婦さんのおなかの上から赤ちゃんを下向きになるように回転させる方法です。妊婦さんに麻酔をかけ、子宮収縮を抑える薬を点滴で投与し、赤ちゃんの心音をチェックしながら行われます。
外回転術の成功率は、約60~70%と報告されています。まれなケースですが、常位胎盤早期剥離(赤ちゃんが生まれる前に胎盤が子宮壁からはがれてしまうこと)や、赤ちゃんに酸素が届かない状態になることがあり、緊急帝王切開になる可能性があることを知っておきましょう。
逆子体操、ポジショニング
体操や寝る向きによって赤ちゃんの回転を促す方法がいくつかあります。
以前から一般的に行われる方法ではありますが、医学的な有効性は証明されていません。また、鍼灸も同様に医学的な有効性は証明されていません。このことから、逆子体操や鍼灸を積極的にすすめていない病院もあります。かかりつけの医師に相談してみましょう。
骨盤位(逆子)を正しく知って出産に備えましょう
妊娠週数の早いうちの骨盤位はよく起こることなので心配ありません。しかし骨盤位のまま出産時期を迎えると、帝王切開となることが多いです。
かかりつけの医師は、妊婦さんが骨盤位でも安全に出産を迎えられるように、アドバイスしサポートしてくれます。
不安なことや心配なことは、かかりつけの医師や助産師に相談してみましょう。
この記事は2021年10月19日時点の情報です。
※2024年1月 株式会社RJCリサーチ調べ インターネット調査 調査対象:産婦人科、産科、婦人科、生殖医療関連診療科 150名
Last Updated : 2021/Oct/18 | CH-20211012-18