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【医師監修】妊婦さんやおなかの赤ちゃんにとって電磁波は本当に影響があるの?
妊娠したら、おなかの赤ちゃんが元気に育つためにも、体に悪いものをできるだけ遠ざけたいものです。最近はスマートフォンやパソコンが身近にあるため、電磁波が気になるという方もいるでしょう。しかし、長年の研究の結果から、普段の生活の中で生まれる電磁波は、妊婦さんや赤ちゃんに影響がないということがわかってきています。
しかし、そうは聞いても、電磁波は目に見えないものだから不安、と感じるかもしれませんね。
そこで、電磁波とはどんなものなのか、本当に影響がないのか、どうしても電磁波が心配な場合はどうすればいいのかなど、電磁界情報センターの調査※をもとにみていきましょう。
※電磁界情報センター発行 妊婦向け電磁波説明ガイド「プレママのための知って安心、電磁波のこと」
電磁波はとっても身近なものです
電磁波は、電気を使うことで発生するもので、電気のエネルギーが波として遠くに伝わることをいい、波が伝わっていく空間を電磁界といいます。電気が生活に欠かせないものとなっている現代の私たちにとって、電磁波は常に周囲で発生している、とても身近なものなのです。
私たちの身近にある3種類の電磁波とその影響
電磁波は大きく3つに分類できます。
- 低周波電磁界(0~300Hz)
送電線や掃除機などから発生します - 中間周波電磁界(300Hz~10MHz)
I H 調理器などから発生します -
高周波電磁界(10MHz~3THz)
電子レンジやスマートフォン、携帯基地局などから発生します
極めて強い低周波電磁界は、神経を刺激するといわれ、極めて強い高周波電磁波は、体温を上昇させるといわれています。しかし、掃除機や電子レンジ、スマートフォンなど、普段の生活の中で発生する電磁波は、ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)の推奨値以下であり、電磁波を浴びている時間や回数には関係なく、私たちの体に影響はないとされています。
生活環境で発生する電磁波は、おなかの赤ちゃんへの影響はありません
WHOの見解では「通常の環境レベル電磁界へのばく露では、自然流産、奇形、出生時低体重、先天性疾患などの有害な結果が生じるリスクは増加しないことが示されています」とあり、妊婦さんへの影響や健康への影響などはないとしています。
では、電磁波の強さによって、どのような影響があると考えられているのでしょうか。
-
低周波
送電線や電化製品から発生する電磁波は、おなかの赤ちゃんに影響がないと考えられています。 - 中間周波
IH調理器やIH炊飯器などのIH製品は、電磁波が強いと感じるかもしれませんが、国際的なガイドラインの推奨値を大きく下回っています。 - 高周波
20年以上研究されてきましたが、これまでに携帯電話が原因で健康に影響を及ぼしているという事例があるとされていません。
送電線やIH調理器、携帯電話など、電磁波の影響が強いのでは?と思われるようなものも、実際に体に影響を与えなかったり、それほど強い電磁波ではなかったりするのです。つまり、おなかの赤ちゃんもお母さんも、普段の生活環境の中で長い時間、電磁波を浴びたとしても、健康への影響は特にありません。
どうしても電磁波が心配なときの対処方法
さまざまな研究から、電磁波は赤ちゃんやお母さんへの影響はないということがわかっており、WHOは、電磁波の低滅対策は不要としています。それでも、どうしても電磁波が気になってしまうという方もいることでしょう。
そんなときには、電化製品を使っている間は近くに行かないようにする、パソコンやスマートフォンの使用時間を減らす、などの工夫をすることにより安心して生活できるかもしれません。
まとめ
電磁波はごく身近にあるものです。ふだんの生活で浴びる電磁波であれば、おなかの赤ちゃんやお母さんの体に影響はありません。それでも妊婦さんにとっては、どうしても電磁波が気になったり、少しの不安でも取り除きたいと感じるかもしれません。
そんなときは、ご自身でできる工夫を取り入れて、赤ちゃんのためにも安心して過ごしてください。妊婦さんが安心して生活を送れることが一番大切です。
不安なことがあればかかりつけの医師に相談しましょう。
この記事は2021年10月6日時点の情報です。
※2025年1月 株式会社RJCリサーチ調べ インターネット調査 調査対象:産婦人科、産科、婦人科、生殖医療関連診療科 150名
Last Updated : 2021/Sep/30 | LMR-CH-20210817-01