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【医師監修】妊婦さんの眠りを妨げるこむら返り。その原因と予防法とは?
妊娠中、寝ている時に突然ふくらはぎがつって、激しい痛みで目が覚めるということはありませんか?妊娠中はなぜこむら返りが起きやすいのでしょうか。原因や予防法などを詳しくみていきましょう。
こむら返りとはどんな状態?
こむら返りは、医療用語では「有痛性筋痙攣(ゆうつうせいきんけいれん)」と呼ばれます。妊婦さんや高齢者に多い症状ですが、激しい運動や足の筋肉の疲労などによって男女や年齢問わず起こります。
一般的にこむら返りが起こりやすいのが、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋:ひふくきん)です。
症状は、筋肉がけいれんして痛みが数分ほど続くというもので、治まった後にしばらく痛みが続くこともあります。
妊婦さんにこむら返りが起きやすいのはなぜ?
妊婦さんの約57%がこむら返りを経験しており、妊娠週数が進むほど症状が出やすくなることがわかっています。妊婦さんにこむら返りが起こる確実な原因は、まだわかっていないようですが、以下のような理由が考えられています。
血液中のミネラルの不足
筋肉が伸びたり縮んだりするのには、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが必要です。このミネラルのバランスが崩れることによって、こむら返りが起こりやすくなるといわれています。
妊婦さんは赤ちゃんの成長のために、より多くのミネラルが必要になるので、特にカルシウムやマグネシウムが不足しやすい状態にあります。
足の筋肉に疲れがたまりやすい
妊娠中、体重が増加するにつれ、体を支えている足の筋肉への負担も増していきます。そのため、こむら返りが起きやすいと考えられています。
下半身の血液の循環が悪くなりやすい
子宮が大きくなることで、おなかの大きな血管が圧迫され血行が悪くなるため、むくみやこむら返りの原因になることが考えられています。
妊婦さんのこむら返りを予防する5つの方法
① 足を温める
血行を良くするため、お風呂で体を温めたあとレッグウォーマーを着用するなど、足の冷え対策をしましょう。
② 軽い運動を行う
ウォーキングなどの軽い運動を習慣にすることで、足の血行を良くし、疲労を回復させましょう。
③ 入浴中や寝る前のマッサージやストレッチ
ふくらはぎのマッサージやストレッチで、筋肉を心地よい程度にほぐしましょう。入浴時や就寝前のルーティーンにするのがおすすめです。
④ 栄養バランスを意識する
栄養バランスの良い食事を摂れていますか?
ミネラル不足になっていないかどうか、カルシウム・マグネシウムを多く含む食材をチェックしてみましょう。
多く含む食材 | |
カルシウム | 牛乳、ヨーグルト、ししゃも、豆腐、小松菜 |
マグネシウム | そば、わかめ、干しエビ、切り干し大根、ごぼう |
⑤ こまめに水分を補給する
体の巡りを良くし、老廃物を外に出すためには水分補給が欠かせません。食事の時間以外も、こまめに水分を摂るようにしましょう。
まとめ
こむら返りは妊婦さんに起こりがちなマイナートラブルのひとつで、妊娠後期に向かうにつれ、より多く見られる症状です。こむら返りは足の血行を良くしたり、食生活を見直したりすることで改善につながるといわれています。まずは取り入れやすい予防法から試してみてはいかがでしょうか?
妊娠中のマイナートラブルについて、疑問や不安なことがある場合は、かかりつけの医師に相談しましょう。
この記事は2021年10月19日時点の情報です。
Last Updated : 2022/May/30 | CH-20211012-18