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【医師監修】妊婦は頻尿になりやすい?原因や対処法は?
妊娠で起こるトラブルのうち、頻尿は90%以上の方が経験するトラブルです。「トイレに行ったのにまたすぐ行きたくなる」「寝ているときにトイレに起きてしまう」など、日常生活に影響が出てしまうことも。そんな頻尿の原因や対処法を詳しくみてみましょう。
妊婦さんが頻尿になりやすい原因は?
尿を溜めておく膀胱(ぼうこう)は、子宮の前にあり、妊娠中期になると、大きくなった子宮が膀胱を圧迫するようになります。この刺激が脳に伝わると、膀胱に尿が溜まったと判断するため、妊娠中は頻尿になりやすいのです。
赤ちゃんの頭が膀胱を圧迫する
出産が近づいてくると、赤ちゃんの位置が下がり、膀胱をより圧迫するようになります。
夜間に眠っているときも膀胱への圧迫が続くので、何度もトイレのために起きるようになります。まとまった睡眠がとりづらくなりますので、必要に応じて昼寝をして睡眠を補いましょう。
妊婦さんの頻尿対策NG例
トイレを我慢する
トイレを我慢すると、膀胱炎を引き起こすことがあります。
また、妊娠中は頻尿になりやすいだけではなく、およそ半数の妊婦さんが尿もれを経験しています。無理な我慢をせず、こまめにトイレに行くことが尿もれ対策になります。
水分を控える
トイレに行く回数を減らそうとして、水分を控えてはいませんか?水分を控えすぎると、体内のいらなくなった老廃物が、尿や便として外に出にくくなります。体に老廃物が溜まることは、お母さんの体にとっても、赤ちゃんにとってもいい状態とは言えません。
便秘にもなりやすくなるため普段よりも水分をとるように心がけましょう。
こんなときどうする?シーン別の頻尿対処法
電車やバスでの通勤中
通勤で電車やバスに乗るときには、乗車前にトイレに行っておきます。そのうえで、車両内にトイレがあるものを選んだり、いつでもトイレに行けるよう各駅停車に乗ったりすると安心です。
また、電車の何両目に乗れば階段やトイレが近いかを、鉄道各社のホームページやアプリなどであらかじめ調べておくのもいいでしょう。
路線バスに乗るときには、バス停の近くにあるコンビニや公共施設などを、事前にチェックしておきましょう。ラッシュ時にはトイレに行くのも一苦労ですので、可能であれば時差通勤を検討したいところです。
就労中の妊婦さんは、男女雇用機会均等法によって、時差通勤や勤務時間の短縮などの対応を受けられるようになっています。かかりつけの産婦人科に相談し、医師から母性健康管理指導事項連絡カードを記載してもらい、勤務先に伝えてみましょう。
車での移動中
移動の途中で寄れる、コンビニや公共施設等を何か所かチェックしておきましょう。たくさんの荷物を積める車であれば、万が一の場合に備えて、着替えや携帯用トイレを用意しておくと安心です。
尿もれパッドをつけておくのもいいでしょう。
通勤に車を使う場合も、ラッシュを避けるための時差通勤や勤務時間の短縮などの対応が可能です。
徒歩で外出中
移動途中で立ち寄れそうなトイレのある場所を事前にチェックしておきます。また、歩くときの振動や、脚の動きなどが膀胱を刺激してしまうことがあります。尿もれパッドをつけておくと安心です。
頻尿の対処法を試してうまく付き合いましょう
妊婦さんにとって、頻尿はよくある症状です。我慢すると尿漏れや膀胱炎になることもあるため、可能であれば家族や周りの人に、トイレが近いことを理解してもらいましょう。
また、水分摂取は制限せず、こまめにトイレに行くようにしましょう。
頻尿によって通勤などに支障が出ている場合は、かかりつけの医師に相談しましょう。
この記事は2021年10月18日時点の情報です。
Last Updated : 2021/Oct/18 | CH-20211012-18