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【医師監修】妊婦のアレルギー 気になる赤ちゃんへの遺伝・食事の注意点は?
妊娠中にアレルギーのような症状がでると、「赤ちゃんにアレルギー体質が遺伝するのでは?」「おなかの子のためにも食事制限したほうがいい?」など、赤ちゃんに対する影響を心配するかもしれません。妊娠とアレルギーの病気との関係や、おなかの赤ちゃんへの遺伝、妊娠中の食事における注意点などについてみていきましょう。
妊娠中とアレルギーの病気との関係について
アレルギーの病気には、花粉症やハウスダストアレルギーなどが原因のアレルギー性鼻炎や、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支喘息などがあります。鼻づまりや皮膚のかゆみの症状は、妊娠中の女性にとって身近なものであるため、「アレルギーの病気を発症したのではないか?」と、心配することもあるのではないでしょうか。
次から詳しくご紹介していきます。
妊娠とアレルギー性鼻炎の関係
鼻づまりは、鼻炎の症状ですが妊娠中によく起こり、妊娠性鼻炎と呼ばれることもあります。また、妊娠してからアレルギー性鼻炎を発症したり、もともとあったアレルギー性鼻炎が悪化したりするケースもあります。その原因は、はっきりとしていませんが、妊娠による女性ホルモンの変化によって生じるものと考えられています。
妊娠とアトピー性皮膚炎の関係
皮膚のかゆみは、アトピー性皮膚炎によくある症状ですが、妊娠中は妊娠性痒疹(にんしんせいようしん)と呼ばれる状態がよくおこります。これも原因ははっきりとしていませんが、通常は出産すると落ち着くものです。
ただし、もともとアトピー性皮膚炎のある女性では、妊娠中に悪化することが少なくありません。その原因は明らかになっていませんが、妊娠によるいくつかの免疫機能の変化が考えられています。
食事はバランスよく摂るのが基本
例えば、「妊娠中はアレルギーを起こしやすい食べ物は、食べないほうがいいのでは?」と卵やナッツや乳製品など、特定の食品を避ける妊婦さんもいるかもしれません。しかし、先程ふれたように、食物アレルギーの発症要因は個々に異なることから、妊婦さんが食事制限をすることで、食物アレルギーの予防効果があるとは確認できません。そればかりか、食事制限による栄養状態の偏りにつながりかねません。
おなかの赤ちゃんのために、アレルギーの予防になりそうなことがあれば、何でも試してみたいと思うかもしれませんが、食事はバランスよく摂ることが一番です。もし、妊婦さん自身に食物アレルギーがあり、食事制限が必要な場合には、妊娠経過にとって大切な栄養素が不足しないよう、かかりつけの産婦人科と相談するようにしましょう。
まとめ
妊娠中は、鼻炎やアトピー性皮膚炎のような症状を経験したり、もともとあったアレルギーの病気が悪化することが珍しくありません。すると、赤ちゃんへの遺伝や食物予防のためになにかできることはないかと気になるところですが、アレルギーの病気は遺伝だけが発症要因というわけではなく、妊娠中の食事制限で防げるものでもありません。
妊娠中にアレルギーを疑うような心配な症状があるときには、かかりつけの産婦人科医へ相談して、適切な治療を受けるようにしましょう。
この記事は2021年10月6日時点の情報です。
※2023年2月 株式会社RJCリサーチ調べ インターネット調査 調査対象:産婦人科、産科、婦人科、生殖医療関連診療科 150名
Last Updated : 2021/Sep/30 | LMR-CH-20210817-01