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【管理栄養士監修】つわり期におすすめの食べ方・食べ物とストレスの対処法

つわりが主に起こる妊娠初期は、これから約10カ月間にわたる妊娠期間に向けて女性の体が変わり始めたり、赤ちゃんの成長が始まったりする時期です。そうした変化に伴って、吐き気に悩まされたり、食べ物の好みが変わったりなど、食事面の対策が必要になることも少なくありません。そんな妊婦さんのために、妊娠初期に摂取しておきたい栄養素やおすすめの食べ物や食べ方、ストレスの対処法についてご紹介します。つわり期を安心して乗り切るための参考にしてください。

妊娠初期にとったほうがよいとされる栄養素

つわりの始まる妊娠初期~出産まで、妊娠中は女性の体の中で赤ちゃんが育っていきます。そのため、バランスのよい食生活を心がけ、妊婦さんの健康を維持するとともに、赤ちゃんの発育に必要な栄養素を上手に摂取することが大切です。
そうしたこともあり、妊娠中の女性は妊娠前よりも多くのエネルギーや栄養素を必要とします。

妊娠初期はまだ赤ちゃんが小さいこともあり、食事の量を妊娠前よりも増やす必要はありません。しかし栄養素の中には、初期のうちから積極的な摂取をすすめられるものもあります。たとえば、次のような栄養素です。

葉酸

葉酸は、妊娠初期の妊婦さんが積極的に摂取したほうがよいとされる代表的な栄養素です。葉酸には新しい赤血球を作る働きのほか、赤ちゃんの遺伝情報に関わるDNAの合成に関わるなど、赤ちゃんの発育において大切な働きを担っています。
厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準」では妊活中の女性に対して、葉酸を1日あたり食事から240μg(アボカド約1.5個分)、さらにサプリメントなどから400μgを摂取することをすすめています。

鉄は、血液中の赤血球を作るのに、最も重要な栄養素です。妊娠中は母体を流れる血液の量が増加するため、赤血球の量も増加し、それに伴って妊娠前よりも多くの鉄分が必要とされるようになります。また、おなかの赤ちゃんが大きくなるにつれて、必要とされる鉄分の量もいっそう増加していきます。特に需要量が増えるのは妊娠中期以降ですが、妊娠初期から積極的に鉄分を摂取する習慣をつけておけるとよいでしょう。

ビタミンD

ビタミンDはカルシウムの利用を促進し、骨の形成を助ける働きをする栄養素です。妊娠中には赤ちゃんの骨をつくったり、母体の健康を維持したりする役割を果たすなどして利用が促進されるため、ビタミンDの需要が高まります。したがって妊娠初期のうちから、意識して摂取することをおすすめします。
ビタミンDは紫外線にあたることで活性化するため、日中は日に当たるように心がけるとよいでしょう。

つわりとは?

つわりとは妊娠5週目頃から起こる食欲不振や吐き気、嘔吐など消化器の異常のことです。この頃、プロゲステロンというホルモンが増加することにより、消化器の不快な症状が起こりやすくなります。またビタミン不足からくる代謝障害、血糖の変動、心理的・社会的ストレスなども影響していると考えられています。

つわりについて、食事のとり方とストレス対処について考えてみましょう。

 

つわり時期の食事の基本対策

つわりの時期は体調がすぐれず、思うように食事がとれないこともあるでしょう。

症状が重い場合は医師に相談することをおすすめしますが、工夫をすれば食事ができるという場合には、以下のような方法を参考にしてみてはいかがでしょう。

食事の回数を分ける

食後や空腹時に気持ち悪くなってしまうなど、口にできる食事の量に限りがある場合におすすめです。例えば普段なら1回で食べる量の食事を少なくして、数回に分けてみるなど、食べ方を工夫してみるとよいでしょう。

刺激の強いもの、脂っこいものを避ける

辛い食べ物などの刺激が強いものや、揚げ物などの脂っこいものは胃の不調が生じているつわり時は胃の負担になり、つわりの症状を強めやすいのです。「つわりの影響で、どうしてもフライドポテトしか食べられない」という方も多いですが、刺激物や脂っこいものはできるだけ避けたほうがよいでしょう。
実際、フライドポテトを食べた後、吐き気や嘔吐を引き起こし、かえって辛い症状を味わうということも起こりがちです。

シリアルなどの乾燥した食品を準備しておく

シリアルは栄養が豊富で、少量ずつ口にできるため、つわりの時期におすすめの食品です。シリアルのほかに、ローストしたナッツなどもよいでしょう。何かを口にしていないと気分が悪くなる「食べづわり」の人にもおすすめです。

「食べたい物を食べる」より「消化のよい食品を選ぶ」

古くから「つわりのときは食べたい物を食べましょう」といわれていますが、冒頭に述べたようにホルモンの変化により胃腸の不快症状が起こっているので、「胃が悪くなっているつもり」で胃に優しい食事をすることが大切です。
またおにぎりやパン、麺、お菓子、果物、ジュースばかり摂る方が多いですが、こういった食事では糖質が多くなりがちです。糖質を利用するためのたんぱく質性食品を摂らなくなると、ビタミンB群が欠乏状態に陥りやすくなります。すると、ますますつわりを悪化させる代謝障害を起こしやすくしていまいます。
そのため、つわりで一般的に好まれやすい糖質性食品より、消化の良いたんぱく質性食品を選ぶ方がつわりの改善につながるといえます。また、この工夫によって、特に食べづわりの方にとって血糖値を安定させることにもつながり、つわりの症状をやわらげることも期待できます。
つわりでつらいときに、無理にお料理をする必要はありません。玉子豆腐や茶碗蒸し、豆腐、焼き鳥、サラダチキンなどの市販食品も上手に取り入れるのがおすすめです。

嘔吐が続く場合、水も飲めない場合はかかりつけ医に相談を

つわりは多くの妊婦さんが経験することとはいえ、例えば吐き気が強く食事を口にできなかったり、水を飲もうとしても嘔吐してしまったりする場合は、医療機関でのケアが必要な状態です。つらいと感じたときは我慢せず、医師に相談しましょう。

つわりのときのストレス対処

育児や家事が思うようにできない、いつものように仕事に行けない、こなせない、などご自身を責めやすくなっていませんか?
つわりの気分の不快に加え、このような気持ちを持ってしまうと、特につわりが悪化していく傾向があります。これは「精神的ストレスは胃にあらわれやすい」のに、つわりは「胃を中心にした症状」だからと考えられます。「病気じゃないから」とできる限り日常の雑務や仕事をこなすよりも、「今は妊娠に身体が慣れるための時間」と割り切りましょう。
言いかえれば、「やるべき」よりも「リラックス」と「好きなこと」中心で時間を過ごすことが大切です。重ねますが、くれぐれもご自身を責めたりせず、周囲の人にどんどん助けを求めましょう。周囲の人は妊娠初期のあなたが通常どおりに家事や仕事をこなすよりも、無理をしないことを望んでいると思いますよ。

妊活中・妊娠中に必要な
\栄養、摂れていますか?/

まとめ

つわりが始まると、食欲の低下や吐き気、だるさといった症状が現れるため、つらい思いをすることも多いでしょう。しかし、つわりは多くの場合、一過性で、妊娠経過が進むと徐々に軽くなっていくといわれています。つわりがなくなるまでの間は、今回紹介した食事面の工夫などを行いながら、無理をしないよう心がけるとよいでしょう。
ただし、1日に何度も嘔吐する日が続いたり、体重が大きく減少したり、水も受け付けなくなったりする場合はがまんせず、かかりつけの産科医に相談しましょう。

この記事は2021年9月14日時点の情報です。

監修者

松本 桃代さん

松本 桃代さん

医療法人社団泰誠会永井マザーズホスピタル栄養科長
1994年~永井マザーズホスピタル。管理栄養士。現在は産婦人科の管理栄養士の枠を超え、プレコンセプションケアを中心に『自分を大切にする食卓』を自らプロデュースできるように女性の健康を『心・身体・食』でサポートするかたわら、妊娠糖尿病管理など産婦人科の栄養業務のコンサルタントを行っている。㈱HOLISTIC WOMEN‘S HEALTH代表、NPO法人母子栄養懇話 理事、妊活HOLISTIC栄養アドバイザー。JAMHA認定メディカルハーブコーディネーター。

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Last Updated : 2022/Mar/23 | CH-20220308-24