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【医師監修】妊婦さんは牛乳を飲んだほうがいい?赤ちゃんのアレルギーの原因にはならない?
妊娠中に自分の食べたものや飲んだものが原因で、赤ちゃんが食物アレルギーにならないかと心配な妊婦さんも少なくないでしょう。食物アレルギーで多いのが牛乳です。では、妊娠中は牛乳を飲まないほうがいいのでしょうか。また、子どものアレルギーを予防するためには、妊娠中に原因となるような食物を食べないほうがよいのでしょうか?
妊娠中の食べものと子どものアレルギーの関係
過去には母乳や胎盤を介して、子どもがアレルギーの原因物質(アレルゲン)の刺激を受けることで症状があらわれると考えられており、欧米では妊娠中や授乳中の卵やピーナッツなど、アレルゲンとなりえる食品の摂取を制限するべきであると考えられていました。
しかしその後の研究から、妊娠中・授乳中を通じてこのような食物摂取を制限しても子どもの食物アレルギーは減少するどころか、むしろ増加していることがわかり、この考え方は完全に否定されています。最近では「皮膚からのアレルゲン暴露はアレルギーの原因となり、適切な量とタイミングで口から摂取された食物はむしろアレルギーを予防する」との報告もあります。
ただし乳幼児へのアレルゲンの与え方には注意が必要ですので、必ず専門医の指導を受けるようにしましょう。
妊婦さんにうれしい、牛乳から摂れる栄養素
カルシウムは胎児の骨を作る働きがあり、妊娠中にたっぷり摂りたい栄養素です。妊娠中に必要なカルシウム摂取量は650mg(1日当たり)ですが、不足がちな方が多いのが現状です。
このカルシウムをたくさん含むのが牛乳です。牛乳はコップ1杯(200ml)に約220mgものカルシウムを含むため、計算上はコップ3杯で1日に必要なカルシウムが摂れることになります。しかし、それだけの量を飲むのは大変なので、牛乳同様カルシウムの豊富なチーズやヨーグルトなどの乳製品も組み合わせるといいでしょう。
食品中のカルシウム含有量が多くても、体内で利用する段階でカルシウムはかなり減ってしまいます。しかし、牛乳や乳製品は利用効率がとてもよく、さらにタンパク質やビタミン、ミネラルも豊富です。牛乳ほど利用効率は高くないものの、煮干しや魚の干物、小松菜、木綿豆腐などもカルシウムなどを多く含みます。上手に料理に取り入れてみましょう。
牛乳と一緒に摂りたい食品
カルシウムを利用するにはビタミンDが必要です。ビタミンDは日光を浴びると体内で合成されますが、以下の食品にも含まれています。ぜひ牛乳と一緒に摂取しましょう。
- 魚類
サケ、カレイ、ヒラメ、マダイ、サバ、サンマなど - キノコ類
きくらげ、干しシイタケなど
牛乳は妊婦さんにうれしい飲みもの
妊娠中に牛乳を制限してもアレルギー予防効果は見込めないため、牛乳を制限する必要はありません。牛乳にはおなかの赤ちゃんの成長に必要な栄養素がたくさん含まれているので、積極的に摂りましょう。
妊婦さんの食生活はバランスよく、が基本です。1日3食さまざまな食材を組み合わせることによってバランス良い食事を目指しましょう。日ごろカルシウムが不足しがちな妊婦さんは牛乳を積極的に取り入れてみませんか?
アレルギーについて不安なこと、気になることがあれば、かかりつけの医師に相談しましょう。
この記事は2021年10月11日時点の情報です。
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Last Updated : 2022/Apr/5 | CH-20220328-12