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妊婦は生卵は控えて
サルモネラ菌が及ぼす影響とは?
卵かけごはんや、すき焼き、山かけうどんなど、生卵が活躍する料理はたくさんあります。妊娠中、これらのメニューを食べたくなることもあるでしょう。しかし、生卵にはサルモネラ菌という病原菌が潜んでいる可能性があります。どんな菌なのか、症状や妊娠への影響などを詳しく解説します。
サルモネラ菌とは
サルモネラ菌とは、どんな菌なのでしょうか?
サルモネラ菌の特徴
サルモネラ菌は、鶏や豚、牛などの動物の腸の中に存在するほか、河川や下水などにも広く分布している細菌です。食中毒を起こす菌で、少量の菌でも感染し発症することがわかっています。
サルモネラ菌による食中毒の原因になる食品
サルモネラ菌による感染症は、下記の食品が原因になりやすいです。
- 卵
- 食肉調理品(特に鶏肉)
- うなぎ、スッポン
これらの食品を、生もしくは加熱が不十分な状態で食べることでサルモネラ菌に感染し、食中毒を起こす場合があります。
サルモネラ菌の感染例
日本での卵が関係する、サルモネラ菌による食中毒の例が下記のとおりです。
- 卵を割り置いて一晩冷蔵庫保管した後、翌朝作ったスクランブルエッグより感染
- 生卵を入れたボールを洗わずに、ポテトサラダの調理に使用し感染
- 自家製マヨネーズを数日にわたって使用し感染
このように、調理時間や保存期間が長く、加熱が不十分な卵や、卵液の付いた調理器具の不十分な洗浄などが感染源になります。
サルモネラ菌による食中毒の症状
サルモネラ菌に感染すると、どのような症状が出るのでしょうか?症状としては、腹痛や、激しい下痢、嘔吐、発熱(38~40度)などの症状がみられ、高熱を伴う頻度が高いです。潜伏期間は6~72時間となっています。
妊娠中に感染した場合の影響
サルモネラ菌に感染し、激しい下痢が長引くと、脱水や子宮収縮を起こす可能性があります。お母さんの体力を消耗させることにも繋がるため、できる限り避けたい状態ですね。
サルモネラ菌に感染しない方法
サルモネラ菌に感染しないようにするためには、どうすればいいでしょうか?
加熱すれば大丈夫?
卵は火を通して食べるようにすることが、最も有効な手段です。70度以上で1分以上加熱するとサルモネラ菌は死滅します。しっかり中まで火を通し、スクランブルエッグや半熟卵などの半生の状態も避けることをおすすめします。
殻をきれいに洗えば大丈夫?
サルモネラ菌は、卵の殻に付着している場合と、サルモネラ菌に感染している鶏から生まれた卵の中にサルモネラ菌がいる場合があります。そのため、すでに卵の中にサルモネラ菌がいれば、殻を洗ってもサルモネラ菌を除去することは難しいでしょう。
冷蔵庫保存したら感染しない?
サルモネラ菌に汚染された卵の保管期間や、殻を割ってから食べるまでの時間が長い場合、その間に菌の数が増え、感染しやすくなります。特に保管温度が高いほど、サルモネラ菌が増えやすいため、卵を買ったらすぐに冷蔵庫に保管することが大切です。また、卵を割ったらすぐに調理することも覚えておきましょう。
まとめ
妊娠中は生卵はなるべく避け、しっかり加熱をしましょう
妊娠中は、安全に使用できる薬や治療・検査方法なども限られます。サルモネラ菌による食中毒は、激しい下痢や高熱などの症状が出る可能性があり、妊娠中にはできるだけ避けたい症状です。妊娠中は生卵や半生の卵料理はなるべく避け、卵を食べる場合はしっかり中まで火を通すことが大切です。また、調理器具の洗浄・消毒にも注意しましょう。もし、疑問点や不安なことがあればかかりつけの医師に相談することも大切です。
※この記事は2021年2月12日時点の情報です。
Last Updated : 2023/Apr/6 | CH-20230406-43