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【医師監修】妊娠をお考えの方へ〜風疹の予防接種が必要な理由
妊娠中に風疹にかかるとおなかの赤ちゃんに影響が出る可能性がある、ということは広く知られているでしょう。妊活の一環として、なるべく妊娠前に風疹の予防接種はすませておきたいものです。
そこで、風疹とはどのような病気なのか、風疹にかかると赤ちゃんにどんな影響があるのか、妊娠中は予防接種を受けられるのか、詳しくみていきましょう。
風疹とはどんな病気?
風疹とは、風疹ウイルスによって起こる感染症です。感染力が強く、せきやくしゃみなどの飛沫によって人から人へと感染していきます。
風疹の症状には、赤くて小さな発疹が体にできる、発熱、耳や首の後ろ側のリンパ節が腫れるといったものがあります。風疹にかかっても症状が出ない人もいますが、成人になってから発症した人は高熱や発疹が長く続く、関節痛があるなど重症化することもあります。入院して治療しなければいけないこともあるため、軽く見ることはできません。
妊婦さんが風疹になったら赤ちゃんに影響はある?
妊娠中に風疹にかかると、眼や心臓、耳などに障害を持つ子どもが生まれることがあり、これを先天性風疹症候群といいます。確率としては、妊娠1ヶ月で風疹になった場合は50%以上、妊娠2ヶ月の場合は約35%とされていて、特に妊娠20週頃までに風疹にかかると、先天性風疹症候群の子どもが生まれる可能性が高くなっています。
風疹にかからないためにはどうすればいい?
風疹にかからないための最も有効な方法は、予防接種を受けることです。風疹の場合、風疹ワクチンを接種することによって、95%以上の人に免疫ができるといわれています。
子どもの時も含め、妊娠する前に2回の予防接種を受けていれば風疹の予防ができるといえます。また、予防接種を受けてから年数が経ってしまい、風疹に対する免疫が低下した場合、追加でワクチン接種をすることで免疫を増やすことができます。
妊婦さんでも予防接種が受けられる?
風疹予防に有効な麻疹風疹混合ワクチンは生ワクチンに分類されます。接種すると、ワクチン用に弱められた風疹ウイルスが体内で増えることで免疫がつきます。そのため、妊娠中は予防接種を受けることができません。また、妊活をしている方の場合、予防接種を受けてから2ヶ月は避妊が必要になります。
妊活の一環として、ぜひ風疹対策をしましょう。まずは風疹にかかったことがあるか、予防接種を受けているか確認してください。わからない場合は病院で自費にて抗体検査することもできますので、必要な場合は早めに風疹の予防接種を受けましょう。
予防接種を受けていない妊婦さんが風疹にかからないためにどうすればいい?
風疹の予防接種を受ける前に妊娠した場合は、風疹にかからないよう特に注意が必要です。風疹が流行っている時期や流行している国や地域では、できるだけ外出をしないようにし、どうしても外出する場合、人混みは避けるようにしましょう。
また、風疹は感染症のため、妊婦さんだけでなく家族も一緒になって対策することが大事です。風疹に感染しないように、パートナーや同居家族も抗体検査や予防接種を受けるようにしましょう。
赤ちゃんの健康を守るためのワクチン接種にクーポンや助成を活用しましょう
クリニックにより異なりますが、麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)はおおよそ1万円です。ただし、昭和37年度~昭和53年度生まれの男性には、住んでいる地域の自治体が、原則無料で風疹の抗体検査と予防接種を受けられるクーポン券を配布しています。これは、2018年7月下旬から風疹の患者数が増えて大流行した際、患者さんの多くにワクチンの定期接種の機会がなく、風疹に対する抗体を持つ割合が低い成人男性だったことからです。
また、市町村によっては、妊娠を希望する女性や妊婦の家族などに、風疹のワクチン接種費用の一部を助成している場合もありますので、確認するとよいでしょう。
妊活中の風疹の予防についてわからないことがある場合、または妊婦さんが風疹にかかってしまった場合はかかりつけの産婦人科医に相談をしましょう。
この記事は2021年10月11日時点の情報です。
※2024年1月 株式会社RJCリサーチ調べ インターネット調査 調査対象:産婦人科、産科、婦人科、生殖医療関連診療科 150名
Last Updated : 2022/Mar/23 | CH-20220308-24