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男性不妊に対して行われる治療方法

不妊症といえば、もともと女性側の原因が多いと思われていた時期もありました。しかし、男性不妊は意外に多く、WHOの報告によると、男性にのみ不妊原因があるカップルが24%、女性にのみ不妊原因があるカップルが41%、男女ともに原因があるカップルが24%、原因不明が11%となっています。

つまり、不妊カップルの約半分は、男性側に原因があるということになります。こうした背景もあり、最近では男性のための不妊治療専門クリニックやメンズヘルス診療を行う病院も出てきています。

ここでは、男性不妊治療の実績データをもとに、病院選びのポイントや主に行われている7つの治療方法についてご紹介します。

男性不妊の場合に行われる治療とは

男性不妊の場合も女性不妊と同様、妊娠の成立に向けた多くの治療方法があります。しかし、具体的にどのようなことが行われるのかわからないと、不安に感じてしまう男性もいるかもしれませんね。
男性不妊にはさまざまな原因があり、その原因にあわせて、注射や投薬、手術やカウンセリングといった治療方法が選択されます。

実際にどのような治療がよく行われているのか、厚生労働省の調査をもとに、7つの治療方法についてみていきましょう。

※令和2年度 子ども・子育て支援推進調査研究事業
不妊治療の実態に関する調査研究最終報告書

1)ホルモン治療 31.5%

脳の視床下部や下垂体の機能がうまく働かないことで起こる精巣機能不全症例に対して行う治療方法で、不足したホルモンを補充します。定期的な注射が必要で、患者さん自身で自己注射をすることもあります。
 

2)TESE(精巣内精子採取術) 30.3%

精子の通り道がふさがってしまうことが原因となる閉塞性(へいそくせい)無精子症で、通り道を再建する手術が難しい場合、もしくは成功しなかった場合に行われる治療方法です。陰嚢(いんのう)の皮膚を少しだけ切開し、少量の精巣組織を取り出し、そこから精子を採取します。
 

3)micro-TESE(顕微鏡下精巣内精子採取術) 21.3%

精巣内で精子が非常に作られにくい非閉塞性無精子症の場合に行われる治療法です。陰嚢の皮膚を切開し精巣をいったん外に出してから、手術用顕微鏡で精子がいそうな場所を探し出し、 精子を採取します。
 

4)顕微鏡下精管精管吻合(ふんごう)術 15.7%

パイプカット手術や鼠径(そけい)ヘルニア手術後など、精管がふさがっていることが原因の無精子症の場合に行われる治療方法です。精管がふさがれていた原因や期間にもよりますが、80~90%ほどの割合で精液中に精子があらわれます。
 

5)勃起不全診療15.7%

勃起不全(ED)が原因の場合、治療薬としてPDE5 阻害薬があります。
 

6)精策静脈瘤手術 15. 2%

精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)が精子の形成障害を起こしている場合や、将来的に精子の形成障害が予想される場合に行われる治療方法です。精子を作る機能が改善することで、精子所見の改善が期待されます。
 

7)射精障害の治療14.6%

射精がうまくできない場合は、それぞれの状態に適した治療方法が行われます。無射精の場合は、自慰指導や陰茎振動刺激などを行い、間違ったマスターベーションからくる腟内射精障害は、器具を用いてマスターベーションの方法の矯正を行います。

まとめ

男性が原因となる不妊は思った以上に多くあります。
なかなか子どもを授からない場合は、ふたりで検査することが必要でしょう。そして、原因をしっかりと把握し、パートナーと協力しあいながら治療していくことが大切になります。

もしかして不妊かも?と思ったら、まずは病院の医師に相談してみてはいかがでしょうか。

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この記事は2021年10月26日時点の情報です。
 

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Last Updated : 2021/Oct/26 | CH-20211022-17