トップ>妊活TOP>妊活中に知っておきたいこと>妊活の「こころとからだ」に関するコラム> 妊娠や出産の適齢期は何歳?
【医師監修】妊娠や出産の適齢期は何歳?
妊娠・出産は、女性の人生に大きな喜びと変化をもたらします。しかし、妊娠・出産できる期間は限られており、いつ子どもを生むべきかと悩みを抱えることもあるかもしれません。
ここでは女性のライフプランにも大きく関係する、妊娠・出産の適齢期についてみていきましょう。
妊娠・出産の適齢期は?
年齢を重ねるごとに妊娠する能力は低下します。妊娠中や出産時のトラブルが増えること、胎児の染色体異常や病気になる心配があること、育児には体力が必要なことなども考え合わせると、女性の妊娠・出産適齢期は20代と言えそうです。
適齢期を超えるとどうなる?
妊娠率が低下する
排卵日の2〜3日前に性交をした場合の、年齢別の妊娠率は以下のとおりです。
女性の年齢 | 妊娠率 | |
---|---|---|
夫婦が同年齢の場合 | 夫が妻より5歳上の場合 | |
19〜26歳 | 約30〜50% | 約30〜45% |
27〜34歳 | 約25〜40% | 約25〜40% |
35〜39歳 | 約20〜30% | 約15〜20% |
※内閣府 妊娠適齢期を意識したライフプランニング「年齢別にみる排卵と妊娠率の関係」より作成
カップルの年齢とともに妊娠率が低下すること、男性の年齢が高いとさらに低下することがわかります。妊活は年齢が早いうちから始めるのが理想です。
子宮内膜症発症の可能性
子宮内膜症は不妊症の原因となる婦人科疾患であり、年齢とともに発症する可能性が高くなります。子宮内膜症は、子宮の内側以外に子宮内膜(もしくは子宮内膜に似た組織)が発生し、強い月経痛や腰痛、下腹痛などの原因になります。年齢別の発症頻度は、30~34歳が20~24歳のおよそ3.5倍で、40歳を超えると7倍になります。※
年に1度は婦人科検診を受け、子宮や卵巣の状態を調べておきましょう。
※内閣府 妊娠適齢期を意識したライフプランニング「子宮内膜症」10万女性年当たりの発生頻度より
自然流産率が上がる
流産は胎児の染色体異常が原因で起こることが多く、その確率は女性の年齢が上がるとともに高くなります。25~34歳の流産率は約10%ですが、35~39歳では約20%、40歳以上では約40%と増えていきます。※
※内閣府 妊娠適齢期を意識したライフプランニング「母の年齢と自然流産率」より
妊娠合併症の可能性
妊娠高血圧症候群(妊娠中に高血圧を発症し、母子の命に関わる合併症を起こす可能性がある)や前置胎盤(胎盤が正常より低い位置に付き、子宮口を覆う)は、年齢とともに増加する傾向にあります。
特に妊娠高血圧症候群は、40歳を超えると急増し、胎児やお母さんの命に危険をおよぼす場合があります。
胎児の染色体異常の可能性
胎児がダウン症など何らかの染色体異常を持つ確率は、親の年齢が上がるほど高くなります。ダウン症の胎児は、お母さんの年齢が30歳なら約1000人に1人ですが、40歳では約100人に1人と確率が上昇します。
健康状態を整えて、将来の妊娠・出産に備えましょう
「妊娠・出産の適齢期は20代」といいますが、厚生労働省「人口動態統計」によれば男女ともに平均初婚年齢は約30歳で、晩婚化は加速傾向にあります。それに伴い、女性が第一子を産む年齢の平均も30歳を超えています。
適齢期の20代から妊活に取り組むことは理想的ですが、それぞれに異なる経済状況や生活環境、キャリアプランがあり、30代〜40代で妊活を始めるというカップルも多いでしょう。しかし、何歳だから妊娠しにくい、出産のリスクが高いと言い切れるわけではなく、個々に健康状態をチェックすることが何よりも大切なことです。
将来の妊娠に向けて、自分の健康状態について心配なことは、かかりつけの医師に相談してみましょう。検査の結果に問題がある場合は、早めに治療することもできます。
この記事は2021年4月15日時点の情報です。
※2024年1月 株式会社RJCリサーチ調べ インターネット調査 調査対象:産婦人科、産科、婦人科、生殖医療関連診療科 150名
Last Updated : 2022/Apr/5 | CH-20220328-12