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【管理栄養士監修】妊活にいい飲み物・避けたい飲み物
妊活を始めてから「口にするものに気をつかうようになった」という人も多いのではないでしょうか。今回は、私たちの体のコンディションを整えるために大切な役割を果たしてくれる飲み物に注目し、妊活中に積極的に飲みたい飲み物、反対に飲みすぎに気を付けたい飲み物を紹介します。
妊活中に飲みたい飲み物は?
妊活中、飲み物にも気をつかいたいという人には、妊娠前から摂取しておきたい栄養素である葉酸を含む飲み物がおすすめです。
葉酸は赤ちゃんの発育を支える大事な栄養素で、妊娠を考えている女性は妊娠前、つまり妊活中から積極的な摂取をすることがすすめられています。厚生労働省が作成した「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では、妊婦さんや妊娠を考えている女性は1日あたり食事から240μg+サプリなどから400μgの葉酸を摂取することが推奨されています。
飲み物で葉酸を摂取する場合には、葉酸を多く含む果物や野菜、例えばイチゴ、アボカド、マンゴー、パセリ、ホウレンソウ、アスパラガスなどをフレッシュジュースにするとよいでしょう。また、葉酸は大豆製品にも多く含まれているため、きなこと牛乳を混ぜて飲んだり、豆乳を飲んだりするのもおすすめです。こうした葉酸を豊富に含んだドリンクは、妊活中に積極的に飲みたい飲み物といえます。
飲み物の温度や成分で、気を付けたほうがよいものは?
一方で妊活中、あまり積極的にとらないほうがよいとされる飲み物もあります。以下に紹介するような、特定の成分を含む飲み物や冷たい飲み物、甘い飲み物は、飲みすぎを避けるなど、気をつけると良いでしょう。
とりすぎに気を付けたほうがよい栄養素は?
カフェインは、とりすぎに注意が必要な栄養素のひとつです。カフェインが体に与える影響については個人差がありますが、妊娠を計画している女性や妊婦さんはカフェインの影響を受けやすいとされています。カフェインを含む代表的な飲み物であるコーヒーは、1日2杯程度の摂取にとどめるなど、とりすぎを避けることをおすすめします。なお、カフェインはコーヒー以外に、エナジードリンクなどにも多く含まれています。
もうひとつ、妊活中のとりすぎに注意したほうがよい栄養素として、ビタミンAがあります。ビタミンAは体の機能維持や成長などに関係するビタミンのひとつで、一般的な食生活で摂取する分には、とくに問題はありません。ただし、サプリメントなどで大量にとりすぎると母体や赤ちゃんの健康に、良くない影響を与える可能性があります。過剰摂取にならないよう、気をつけましょう。
冷たい飲み物より温かい飲み物のほうがよい?
「体の冷えが気になる」という女性の場合、自分で飲み物を選べるときは、どちらかというと温かい飲み物を選んだほうがよいでしょう。体が冷えることによって妊娠しにくくなるという直接の指摘はありませんが、冷えは月経不順などを引き起こす原因になることもあります。そのためできるだけ温かい飲み物を飲んで、体を冷やさないようにしたほうがよいでしょう。
氷を入れていい?
無理をして温かい飲み物ばかりを飲む必要はありません。暑いときなどに氷の入った冷たい飲み物を飲んで、スッキリするのはOKです。ですが、冷たい飲み物の飲みすぎは胃腸の働きを低下させるなど、体調を崩すきっかけになることもあります。妊娠のためには健康な体を保つことが大切です。氷入りなどのキンキンに冷えた飲み物の飲みすぎは避けて、体を冷やさないようにしましょう。
妊活中は気をつけたほうがよい、意外な飲み物
体によいイメージがある飲み物の中にも実は、妊活中の女性にとって意外な注意点があります。気を付けるべきポイントがある飲み物の一部を紹介しましょう。
ココア
実はココアにはカフェインが含まれています。市販されているココアには、原料であるカカオマスから油脂分を取り除き粉末状にした「ピュアココア」と、ピュアココアに砂糖や乳成分などを加えて飲みやすくした「ミルクココア」という2つのタイプがあります。ミルクココアに含まれるカフェインは微量ですが、糖分を多く含んでいるので、気をつけましょう。
ハーブティー
身体を温めるものが多く、香りでリラックスできるハーブティーは妊活にピッタリです。植物のパワーが詰まったハーブは栄養価の高いものが多いのもうれしいポイントです。
その日の気分でハーブティーを選ぶのもいいですが、ブレンドティーは味に深みが出ておもしろいです。ブレンドにルールはありませんので、お好みのハーブや期待される作用を中心に選ぶのも楽しいですよ。
<妊活、妊娠中に選びたいハーブティー>
冷えが気になる | ショウガ ジャーマンカモミール* エルダーフラワー |
鉄不足が気になる | ネトル マルベリー ラズベリーリーフ ダンディライオン* |
心地良い寝つきに | リンデン ラベンダー ローズ パッションフラワー |
疲れた胃に | ジャーマンカモミール* レモンバーム 柑橘類の皮 |
風邪の引きはじめに | エルダーフラワー リンデン エキナセア* |
リフレッシュに | ペパーミント レモンバーベナ ローズゼラニウム レモングラス |
疲労回復に | ハイビスカス ローズヒップ ダンディライオン* ソバ |
*キク科アレルギーの人はお控えください。
<妊娠中に避けたいハーブ>
ハーブティーに使われるハーブの中には、妊娠中の摂取を避けたほうがよいといわれるものもあります。
ローマンカモミールやアロエの他、シナモン、サフラン、タイム、ナツメグなどは妊娠中には避けたほうがよいです。これらをスパイスとして使う分には問題ないとされています。
知らずに飲んでしまったとしても、一時的であり体調に異変がなければ気にしなくて大丈夫です。その他にも妊娠中に控えたいとされるハーブティーもありますが、「安全性が確認されていない」という理由であったり、妊婦さんが控えた方がいいサプリメントや精油と混同しているなど、不確かな情報である場合があります。
ブレンドハーブティーは多種類になるほど味が良くなり、体への影響を抑えることもできますが、たくさんの種類の中に避けたいハーブが含まれることもありますので、市販品は気をつけて選びましょう。
ルイボスティー
ルイボスティーはノンカフェインかつ飲みやすく、妊活中にもおすすめのハーブティーです。しかし、どんなハーブティーでもおなじのものをたくさん飲みすぎることはおすすめできません。
ルイボスティーの場合、一般的に身体にいいとされる植物栄養素ポリフェノールの影響で体調を崩してしまう可能性もあります。
安全とされるハーブティーであっても一つの種類ばかりでなくいろいろなものを楽しみましょう。
野菜ジュースやフルーツジュース
手軽に飲める野菜や果物のジュースは、適量であれば栄養補給にぴったりです。しかし、市販のジュースは飲みやすさのために糖分を多く含み、糖分のとりすぎを招きます。体によいとされる飲み物でも、毎日習慣的に飲むのは避け、基本的には野菜はお料理から摂りましょう。野菜、果物不足などによるビタミン不足が気になるなら、多種類のビタミンを含むサプリメントを利用する方法もあります。
料理酒はOK?
妊活中はアルコールの摂取にも注意したほうがよいといわれており、料理にお酒を使うことをためらう人がいるかもしれません。ですが、火を通せばアルコール成分がなくなるので、加熱する料理に使う場合は妊活中、妊娠中、授乳中でも問題なく使用することができます。ただし、お酒が使われているスイーツについては、度数が高い状態でアルコール成分が残っていることもあります。お酒に弱い人は気を付けましょう。
まとめ
妊活中の飲み物については、それほど神経質になる必要はありません。しかし、体によいと思っていた飲み物に意外な影響があるほか、無意識のうちに糖分のとりすぎになることもあります。またカフェインや一部のハーブなど特定の成分については摂取量に気を付けたり、場合によっては摂取そのものを避けたりしたほうがよいことも。心配なときはかかりつけ医に相談しましょう。
飲み物には妊活中のストレスをやわらげ、心をリラックスさせる効果もあります。上手にリラックスタイムを楽しみながら、妊活を続けていきましょう。
この記事は2021年9月14日時点の情報です。
Last Updated : 2022/Mar/23 | CH-20220308-24