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妊娠と食事の関係:卵子や精子の質を左右する栄養素とは
妊娠は奇跡の連続です。その奇跡を起こすためにできることとして、栄養バランスが整った食事をとることが大切です。女性だけでなく男性も一緒に、妊娠に繋がる健康なからだ作りをしましょう。妊娠に効果的な食事とはどんな食事か、不妊と食事の関係など詳しく解説します。
妊娠と栄養の関係とは
妊娠には、卵子と精子が出会い受精することが必要です。しかし、卵子の質が低下していたり、精子の動きが低下していたりすると、うまく受精に至りません。
また、受精できたとしても受精卵の成長が止まったり、子宮内膜に着床できず妊娠に至らなかったりする場合もあります。妊娠に至るには多くのハードルがあり、そのハードルをクリアするには精子や卵子の質、卵管や子宮の状態、免疫などが関係してきます。
そのため、精子や卵子の質をより良い状態にし、卵管や子宮の働きを整えることが大切です。その方法のひとつとして、食事の内容を見直すことが必要になります。
ミトコンドリアと活性酸素
卵子や精子の質に関係する因子のひとつが「ミトコンドリア」です。からだを構成する細胞の中にあり、エネルギーを産生する小器官です。ミトコンドリアは卵子や精子のなかに多く存在し、妊娠に欠かせない受精や着床にも関わります。
このミトコンドリアの働きを弱らせるのが、「活性酸素」です。活性酸素は過剰になると、老化や生活習慣病の発症などに影響するほか、卵子や精子の質の低下を起こすことが知られています。
そのため、この活性酸素が増えすぎた状態を解消することが大切です。
その方法として、活性酸素の発生やその働きを抑えたり、活性酸素そのものを取り除く「抗酸化物質」を取り入れたりすることが必要です。
妊活中にとりたい抗酸化物質
妊活中は、3食栄養バランスの整った食事をとることに加え、下記の抗酸化作用のある栄養素を意識して取り入れるようにしましょう。
ポリフェノール
ポリフェノールには、アントシアニン、イソフラボン、サポニン、セサミノール、ルチン、タンニンなどがあります。それぞれ下記の食材に多く含まれています。
アントシアニン
ブルーベリー、イチゴ、しそ、ナスなど
イソフラボン、サポニン
大豆や豆腐、納豆、みそなどの大豆製品
セサミノール
ゴマ
ルチン
そば
カテキン
緑茶、紅茶、ウーロン茶など
カロテノイド
カロテノイドは、動物や植物に広く存在する黄色または赤色の色素です。緑黄色野菜や果物など多くの食品に含まれるβ-カロテンやリコピン、えびやかになど甲殻類や、さけ・ますなど魚類がもつアスタキサンチンなどが知られています。
ビタミンA、C、E
ビタミンA、C、Eは、抗酸化ビタミンと呼ばれ、抗酸化作用を持つビタミンです。
ビタミンAは緑黄色野菜、ビタミンCはブロッコリー、赤ピーマン、柑橘類など、ビタミンEはアーモンドやカボチャなどに多く含まれています。
ミトコンドリアの働きを高める栄養素
ミトコンドリア内には、エネルギーを作るための「TCA回路」という代謝経路があります。このTCA回路を動かすには、ビタミンB群が必要になります。そのため、妊活中は抗酸化物質に加えて、下記のビタミンB群を意識的にとることが大切です。
ビタミンB群の種類 | 多く含まれる食材 |
ビタミンB1 | 肉類(特に豚肉)、大豆、玄米など |
ビタミンB2 | レバー、脱脂粉乳、塩サバ、納豆など |
ナイアシン(ビタミンB3) | マイタケ、たらこ、鰹節、まぐろ、かつおなど |
パントテン酸(ビタミンB5) | レバー、落花生、マッシュルーム、卵など |
ビタミンB6 | ニンニク、マグロ、鶏ささみ、のりなど |
ビタミンB12 | レバー、青魚、貝類、卵、乳製品など |
葉酸 | 大豆、ほうれん草、わかめなど |
ビオチン | レバー、大豆・豆類、卵黄など |
食生活の見直しはできるところから少しずつ
食生活を変えることは、買い物や料理、食事の場面でいつもと違う変化がおこることになり、負担に感じてしまうかもしれません。まずは1品、抗酸化作用のある食材を取り入れたメニューを増やすところから始めてみましょう。
妊活方法について疑問や不安に思うことがあれば、かかりつけの産婦人科の医師に相談することが大切です。
食事については、管理栄養士に相談できる窓口がありますので、「これは食べても大丈夫?」「食事内容はこれでいいの?」「毎日の栄養計算が難しい!」…など、妊活・妊娠中の栄養に関するお悩みの解決にぜひ活用してみましょう。
この記事は2021年10月6日時点の情報です。
Last Updated : 2021/Sep/30 | L.JP.MKT.CH.05.2021.2549