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「妊産婦のための食生活指針」が改訂 妊娠中の体重増加の目安とは?

2021年9月29日

2021年3月に妊産婦のための食生活指針」が改訂されました。「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」として名称が変更になり、内容も新しくなっています。
特に改訂内容で注目したいのが、妊娠中の妊婦の体重増加の基準値です。近年、やせ型の妊婦さんが増えており、それが低出生体重児の増加の原因の一つと考えられています。このようなやせ型妊婦さんを減らすことをはじめ、妊婦さんの適切な体重管理を目的として増加目安値が変更されました。

若年女性の体格をめぐる現状
日本ではやせている女性が多く、特に若い女性にその傾向が強いです。
2019年に厚生労働省が行った国民健康・栄養調査では、20歳代女性では20.7%、30歳代では16.4%、40歳代では12.9%が「やせ(低体重)」となっています。 
つまり、妊娠・出産を考える年代にやせている人が多いことがわかります。

やせが妊娠に及ぼす影響
「やせ(低体重)」に分類される女性は、早産や切迫早産、胎児の発育遅延や低出生体重などのリスクを高めることが報告されています。日本の低出生体重児の割合はOECD(経済協力開発機構:欧州諸国、米国、日本などを含む34カ国の先進諸国によって構成)諸国の平均値よりも高く、2017年には日本が最も多いという結果です。
胎児期の発育が十分でなかった場合、成人後に肥満、循環器疾患、2 型糖尿病などの生活習慣病の発症リスクが高まる可能性があることが報告されています。
また、若い女性の低体重は、排卵障害や閉経年齢の低下を招き、妊娠の確率を下げてしまいます。
そのため、妊娠中、そして妊娠前から体重管理を行うことが大切です。

妊娠中の体重増加量はお母さんと赤ちゃんにとって望ましい量に
国立成育医療研究センターは2017年に、妊娠中に注意すべき合併症のリスクが最も低くなる「適切な体重増加量」を算出しました。その結果、BMI18.5未満のやせの妊婦さんの場合、適切な体重増加量は12.2kgでした。この数値は、厚生労働省が示していた推奨体重増加量より高い結果となり、妊婦さんの推奨体重の見直しの必要性が問われるようになりました。
そして、2021年3月に「妊産婦のための食生活指針」が改訂され、妊娠中の体重増加量の目安が下記のように変更されました。

■改訂前

体格区分 BMI値 妊娠中の推奨体重増加量
低体重
(やせ)
18.5未満 9~12kg
ふつう 18.5以上25.0未満 7~12kg
肥満 25.0以上 およそ5kg
(個別対応)

■改訂後

体格区分 BMI値 妊娠中の体重増加量の目安
低体重
(やせ)
18.5未満 12~15kg
ふつう 18.5以上25.0未満 10~13kg
肥満
(1度)
25.0以上30.0未満 7~10kg
肥満
(2度以上)
30.0以上 個別対応
(上限5kgまでが目安)

出典:厚生労働省 妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針より

上記の通り、改訂によって体重増加量の目安が見直され、改訂前より目安が1~3kg増えています。また、肥満の分類が2つに増え、より基準が明確に示されています。
妊娠前・妊娠中の低体重は、母子の健康に影響を及ぼす可能性がありますので、目安を参考に体重の増えすぎ・増えなさすぎに注意しましょう。
厚生労働省では、今回の改定内容がわかりやすく書かれたリーフレットを公開しています。
こちらもぜひご覧ください。
厚生労働省 妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針

※本記事は2021年5月28日に作成されました。
※最新の情報に関しては厚生労働省ウェブサイト等も併せてご参照ください。
 

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