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女性の健康ニュース

2021年1月より不妊治療費用の助成拡充。2022年の公的医療保険適用前にできること。

2021年1月27日

妊活をこれから始めようとしている方や既に妊活をしている方は、妊娠計画を進めて行くうえで、さまざまな不安が出てくることでしょう。

費用面もそのひとつですが、2021年1月から不妊治療の助成金が拡充されていることをご存じでしょうか?

不妊治療費用の支援拡充内容

少子高齢化が加速する流れを受けて、政府は2020年12月に不妊治療費用に対する助成金の総額を約370億円に拡充する方針を固めました。2020年度当初予算は151億円でしたので、約2.5倍の増額になっています。

これにより、特定不妊治療費助成の内容が下記のように変更されます。

特定不妊治療費助成の変更内容

■ 対象治療法

特定不妊治療(体外受精および顕微授精)

■ 対象者

特定不妊治療以外の治療法によって妊娠の見込みがないか、または極めて少ないと医師に診断された夫婦(治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦)

■ 給付の内容

①1回30万円

※凍結胚移植(採卵を伴わない)および採卵したが卵が得られないなどのため中止したものについては、1回10万円

通算回数は、初めて助成を受けた際の治療期間初日における妻の年齢が、40歳未満であるときは通算6回まで、40歳以上43歳未満であるときは通算3回まで助成(1子ごと)

②男性不妊治療を行った場合は30万円

※精子を精巣または精巣上体から採取するための手術

■ 拡充の適用

2021年1月1日以降に終了した治療を対象

変更前と後を比較すると、下表のようになります。

 

変更前
(2020年12月31日までに終了している治療)

変更後
(2021年1月1日以降に終了した治療)
所得制限 730万円未満(夫婦合算の所得) 制限なし
助成額 1回15万円(初回のみ30万円) 1回30万円
助成回数 生涯で通算6回まで
(40歳以上43歳未満は3回)
1子ごと6回まで
(40歳以上43歳未満は1子ごと3回)
対象年齢 妻の年齢が43歳未満 変更せず

所得制限がなくなり、助成額や助成回数も増え、不妊治療の間口が広くなっています。

自治体によって違う不妊治療の助成内容

不妊治療の助成は、国だけでなく都道府県や市区町村によって、助成内容や金額が上乗せされる場合があります。自治体による助成制度内容の違いを見てみましょう。

■東京都と東京都港区の助成内容

東京都独自の特定不妊治療費助成事業の内容として、事実婚の夫婦が対象者に含まれます。また、不育症検査助成事業や不妊検査等助成事業により、検査費用の助成もあります。

さらに助成が充実しているのが、東京都港区です。都の助成内容に上乗せされる形で、不妊治療費の助成を受けられます。

東京都と港区の特定不妊治療費助成事業

  東京都 東京都港区
所得制限 制限なし 制限なし
助成額 国の助成に準ずる ・特定不妊治療
都の助成にプラスして1年度あたり30万円を上限に助成
・男性不妊治療(精子を精巣または精巣上体から採取する手術)
都の助成にプラスして1年度あたり15万円を上限に助成
助成回数 国の助成に準ずる 通算5年度まで
(妻の年齢によって上限年度数まで申請できない場合あり)
対象者 妻の年齢が43歳未満
※婚姻している夫婦に加え、事実婚の要件を満たした夫婦も対象
妻の年齢が43歳未満
※事実婚の夫婦は対象外

上記に加えて東京都は1月11日に、新型コロナウイルス流行を背景とした出生数の低下を受けて、10万円分の出産支援事業を始めることを発表しました。

2021年4月以降の出産が対象で、おむつやミルクのほか、子育て支援サービスなども含めた複数メニューから希望するものを選択してもらうという内容になっています。

詳細はこちら→東京都ホームページ

 詳細はこちら→東京都 港区ホームページ

■埼玉県の助成内容

埼玉県では、ウェルカムベビープロジェクトとして「早期不妊検査費助成事業」や「不育症検査費助成事業」「早期不妊治療費助成事業」「2人目以降不妊治療費助成」などの費用助成を行っています。

早期不妊治療費助成事業では、特定不妊治療費の初回助成を受けた方のうち、治療開始時の妻の年齢が35歳未満の場合、助成額に10万円が上乗せされます。

詳細はこちら→埼玉県 ウェルカムベビープロジェクト 

詳しくは、お住まいの自治体のホームページをチェックしてみましょう。

2022年に公的医療保険の適用に

不妊治療の平均費用は、体外受精で約38万円、顕微授精で約43万円となっており、今回の助成内容の拡充は、妊活されている方にとって大きな助けになるはずです。現在妊活されている方は、ぜひ活用しましょう。

さらに政府は、少子化対策の一環として、2022年度から不妊治療に公的医療保険を適用する方向性を示しています。実現すれば、治療費が全額負担から3割負担になり、費用が1/3に抑えられます。

また、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策の強化や、保育の受け皿整備、不育症患者や小児・AYA世代のがん患者等に対する経済的支援も行われる方針です。

 

※本記事は2021年1月13日に作成されました。

※最新の情報に関しては厚生労働省ウェブサイト等も併せてご参照ください。

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Last Updated : 2023/Apr/6 | CH-20230406-42