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【医師監修】妊娠力とは?妊娠するための力を高める食生活のポイント

妊活について調べていると、「妊娠力」という言葉を目にすることがあります。妊娠力とはなんでしょうか?また、妊娠力を高めるためには何をしたらいいのでしょうか?

 

妊娠力とは? 

妊娠力とは、文字通り「妊娠するための力」を指して使われているようです。医学ではこのことを妊孕性(にんようせい)といいます。
妊孕性には、単純に卵子と精子だけの話ではなく、男性と女性、それぞれの性機能、生殖器、ホルモンの働きなどが関係しています。つまり、パートナーと一緒に妊娠しやすい状態に体を整えることが「妊娠するための力」、つまり妊孕性を高めることにつながるといえるでしょう。

妊娠率のピークはいつ?

一般的に、自然妊娠のしやすさは年齢によります。20代前半がピークで、30歳代前半では85%程度、35歳〜39歳では70%程度、そして40歳以上では40%以下にまで低下します。また、体外受精などの高度生殖補助医療による妊娠率も同様、年齢とともに低下していきます。

このように年齢とともに妊娠率は低下するため、「赤ちゃんがほしい」と思ったときが、今後の人生において最も妊娠する可能性が高い時期といえるでしょう。

 

妊娠するための力を高めるプレコンセプションケア

プレコンセプションケアとは、将来の妊娠に向けて、パートナーとともに健康管理することを意味しています。

プレコンセプションケアに取り組むには、まず現在の自分たちの体の状態を知ることが重要です。年に一度の健康診断や、妊娠するための力を調べるためブライダルチェックを受けて健康状態を確認しましょう。健康状態に問題がある場合、早めに治療を受けることで将来の妊娠に備えることができます。
また、ふだんの生活習慣や食生活についてパートナーとともに振り返り、妊娠するための力を高めるよう改善していくことが大切です。

プレコンセプションケアの実践として、運動、睡眠、ストレスを溜めないなど、日常生活の中で気をつけたいことがいくつかありますが、その中でも早めに知っておきたい、体重管理の重要性とバランスのよい食生活のポイントについてご紹介します。

 

妊娠するための力を高めつつ、妊娠後に備えて適正体重を目指しましょう

極度の肥満や体重減少があると、ホルモンの分泌に異常をきたし、排卵が起こらない原因にもなるといわれています。
また、妊娠後には体重管理をして、適切に体重を増やしていくことが大切になります。妊娠中に体重増加が少ない場合や、妊娠前から「やせ」に分類される場合、早産や低出生体重の可能性が高まるなど、胎児の発育に影響をおよぼすことがあります。
また、肥満の場合も妊娠高血圧症候群などの可能性が高まり、「やせ」の場合と同じく、胎児の発育に影響をおよぼすことがあります。

それでは、現在のBMI値を計算し、ご自身の体格区分を調べてみましょう。
BMI値=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

妊娠前の体格区分 妊娠中の体重増加量の目安
低体重(やせ):BMI18.5未満 12〜15kg
体重(ふつう):BMI18.5以上25.0未満 10〜13kg
肥満(1度):BMI25.0以上30.0未満 7〜10kg
肥満(2度以上):BMI30.0以上 個別対応(上限5kgまでが目安)

※厚生労働省 妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針より(日本肥満学会の肥満度分類に準じた)

やせ、または肥満の体格区分の方は、食生活の改善に取り組んだり、ほどよく運動を取り入れるなどして標準体重を目指しましょう。

 

妊娠するための力を高めるバランスのよい食生活のコツ

バランスのよい食生活を送るコツは、1日2回以上「主菜・副菜・主食」を組み合わせた食事を摂ることです。

主菜
たんぱく質豊富な肉、魚、卵、大豆および大豆製品を主な材料とした料理のこと
副菜
ビタミンやミネラル豊富な野菜、いも、大豆を除く豆類、きのこ、海藻を主な材料とした料理のこと
主食
ごはんやパン、めん類を主な材料とした料理のこと

今日のあなたの食事は栄養バランスのよい状態になっているでしょうか?食事の写真をアップロードするだけで栄養バランスをチェックできるツールを用意しています。ぜひ調べてみましょう。

食事の栄養バランスチェック!

 

妊活中の女性が意識して摂りたい栄養素

葉酸は新しい赤血球を作る働きがあり、赤ちゃんの遺伝情報に関わるDNAの合成をするなど、妊娠初期の体にとって、とても重要な働きを担っています。厚生労働省は、妊活中・妊娠初期の女性に対して、葉酸を1日あたり食事から240μg(アボカド約1.5個分)、サプリメントなどの栄養補助食品から400μgを摂取することをすすめています。
さらに鉄は血液中の赤血球を作るのに、最も重要な栄養素です。妊娠中は体を流れる血液の量が増加するため、妊娠前よりも多くの鉄分が必要になります。
ビタミンDも注目したい栄養素のひとつです。ビタミンDはカルシウムの利用を促進し、おなかの赤ちゃんの骨の形成を助ける働きをします。

 

妊活中の男性が意識して摂りたい栄養素

亜鉛は細胞の生成やたんぱく質の合成に関わっており、生理機能の維持に重要な役割を担っています。男性の体においては、特に前立腺や精巣の機能に関係しているため、亜鉛は男性の妊活にとって、とても重要な栄養素といえます。
また、葉酸は女性に必要な栄養素として知られていますが、近年さまざまな研究結果から、葉酸が男性のコンディションによい影響を与えるということがわかってきました。

パートナーと栄養改善に取り組み、妊娠するための力を高めましょう

「妊活はこれからはじめるからまだ大丈夫」「妊娠したら食事に気をつけよう」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、多くの日本人女性は健康維持や妊娠に必要な栄養が足りていないといわれています。また、栄養素は摂取してから体内に栄養を蓄えるのに時間がかかるため、早めに栄養改善に取り組みましょう。
男性が妊活のためにコンディションを整える場合も同様です。精子の形成から、精子が精管を通るまではおよそ3ヵ月もかかるため、早めの栄養改善をおすすめします。

まとめ

妊孕性には男性と女性、両方の健康状態が関係しています。そのため、パートナーとともに自分たちの健康状態と向き合う、プレコンセプションケアを実践することが妊娠するための力を高めることにつながるといえます。まずはふだんの食生活を振り返り、改善することからはじめてみませんか?
妊活についてわからないことや不安なことがあるときは、産婦人科の医師に相談しましょう。

この記事は2021年10月11日時点の情報です。

監修者

五十嵐先生

五十嵐 秀樹先生

京野アートクリニック仙台 院長
山形大学医学部卒業。山形大学医学部大学院入学を期に卵子老化の研究を開始。ペンシルベニア大学博士研究員、山形大学医学部助教、講師を経て2016年より現職。現在も卵子老化の克服をライフワークとする。医学博士、産婦人科専門医・指導医、日本生殖医学会生殖医療専門医。

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Last Updated : 2022/Mar/23 | CH-20220308-24