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産婦人科医が解説!ホモシステインとは?

中村仁美さんがMCを務めるエレビット提供のラジオ番組「エレビットpresents 大切なあなた」に、川崎医科大学附属病院 産婦人科 副部長の太田邦明先生が出演されました。

葉酸が体の中に足りていないと悪玉アミノ酸と呼ばれる「ホモシステイン」が蓄積されます。
今回、太田先生には「ホモシステイン」とは何なのか。「ホモシステイン」はなぜ溜まるのか?どんな悪影響があるのか?など、「ホモシステイン」に関することを4回に分けて解説していただきました。

まずは7月に放送された「Vol1.ホモシステインとは?」と「Vol2.ホモシステインを身体に溜めないコツ」についてご覧ください。

※ バイエル薬品(株)から太田邦明先生に依頼をし、頂いたコメントを編集して掲載しています。

太田 邦明先生プロフィール

太田先生

川崎医科大学 産婦人科学 特任准教授
川崎医科大学附属病院 産婦人科 副部長

東邦大学医学部大学院卒業。メイヨークリニック内分泌研究所リサーチフェロー、ロザリンドフランクリン医科大学産婦人科助教、慶應義塾大学産科婦人科学教室助教、那須赤十字病院産婦人科副部長、福島県立医科大学産婦人科学講座・ふくしま子ども・女性医療支援センター 講師、東邦大学医療センター大森病院産婦人科 准教授、東京労災病院 産婦人科部長を経て、令和6年より現職。医学博士、日本産科婦人科学会専門医・指導医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本女性医学学会ヘルスケア専門医・指導医 など

第16回 2022/7/17放送 Another Edition 
専門家インタビュー:川崎医科大学附属病院 産婦人科 副部長 太田邦明先生

中村:ゲストの方をご紹介いたしましょう。川崎医科大学附属病院 産婦人科 副部長の太田邦明先生です。よろしくお願いいたします。

太田:よろしくお願いします。

 

ホモシステインとは

中村:ホモシステイン。耳慣れない言葉が出てきましたけれども、まずそもそもこれ一体どういうものなのか?体にはいい成分なのか?まずはそこを教えてください。

太田:ホモシステインはアミノ酸で、「アミノ酸」は聞いたことがある人もいらっしゃるかもしれません。

中村:そうですよね。

太田:比較的良さそうなものだと思うのですけれども、これ自身はアミノ酸の一つで、タンパク質を摂ってしまうと、どうしても体の中に生成されてしまうたんぱく質なのです。この別名が悪玉のアミノ酸と言われておりまして、とにかく体にためたくないアミノ酸ということで知られています。

中村:なるほど。悪い方のアミノ酸。

太田:悪い方で。

 

神経管閉鎖障害との関係

中村:ホモシステインというのは体に良くないという事で、先生産婦人科がご専門ですけれども、妊娠出産にもやっぱり影響があるということでしょうか?

太田:そうですね、実際この悪い方のアミノ酸のホモシステインですが、酸化ストレス、活性酸素を発生させて細胞を錆びさせて、炎症を起こしたり、様々な疾患の原因にもなります。一番有名なのは神経管閉鎖障害です。

中村:はい。

太田:原因の一つです。完全にそれが直結しているわけじゃないのですけども、メカニズムのうちの一つとして、ホモシステインが悪さしているのじゃないかということがよく知られています。

中村:神経管閉鎖障害って言うと、私は産婦人科では葉酸を飲みましょうと、葉酸を飲んでおけば大丈夫ですよ、って言われたのですけれども、ホモシステインと葉酸は関係あるのですか? 

太田:もちろんです。ホモシステインを溜めないために葉酸を飲むという一つの目的があるので、葉酸を飲めばホモシステインが下がるお考え下さい。そういった意味で妊娠中に飲みなさいというのは理にかなっているかと思います。

中村:なるほど。葉酸を飲むと、その悪玉アミノ酸であるホモシステインが減るという事なのですね。

太田:はい、その通りです。

中村:そのホモシステインというのは、やはり妊娠・出産時に悪くて、子供の神経管閉鎖障害などの原因になり得るという事で大丈夫でしょうか?

太田:はい、大丈夫です。

 

ホモシステインを溜めないメリット

中村:なるほど。これを妊婦さんが溜めないためには、葉酸を飲むということですけれども、溜めないメリットっていうのはあるのですか?

太田:もちろん、悪玉のアミノ酸なのでとにかく溜めない、溜まることがデメリットなので、溜めないことが一番重要です。ホモシステイン自体は先程申しましたように、非常に酸化ストレスといって細胞を錆びさせる成分、効果・作用があるので、溜めないというのが一つの、非常に大事なことだと思います。

中村:赤ちゃんにとっては、神経管閉鎖障害以外にも何か問題を引き起こしたりとかするのですか?そのホモシステインというのは。

太田:もちろんですね、例えばの話、細胞を錆びさせるって意味でもちろん妊娠前、要は不妊症の原因になったり、あるいはせっかく妊娠しても流産になってしまうっていう事があったり、妊娠中にすごく重篤な母子共に危ないような合併症を引き起こすこともあると報告されています。

中村:絶対に溜めたくない。

太田:絶対に溜めない方がいいですね。

 

葉酸のオススメ摂取方法

中村:絶対に溜めたくないですけれども、葉酸を飲めば減ってくるわけですが、その葉酸を摂取するためのオススメの方法、もしありましたら教えてください。 

太田:葉酸というと、比較的何かこう葉っぱで青物に入ってるイメージがあると思うのですけれども。

中村:ブロッコリーのイメージがありますね。

太田:ブロッコリーでとると、ものすごく大量に、トラック1台分ぐらい摂らないと摂れないので。

中村:そうなのですか!

太田:サプリメントでしっかり効率よく摂るっていうのが非常に大事かなと思います。

中村:なるほど。今ドラッグストアに行くと葉酸サプリっていっぱい売っていますけれども、あの中でもまたちょっと選び方ってありますか?

太田:1つ選ぶとしたら葉酸ってビタミンBなんですけど、覚えていただきたいのはビタミンB群。

中村:B群ですね。

太田:Bの6とか2とか、そのサプリメント選ぶ時にBがついてるものを選んでもらうと、マルチビタミンと言うのですかね、より葉酸を効率よく使えて、ホモシステインが溜まらなくなるっていうふうに考えてもらえばいいと思います。

中村:覚えやすいですね。葉酸プラスBがついてるもの。今マルチビタミン色々ありますけれども、葉酸だけのサプリよりBがプラスについてるものを選ぶとより良いということですか?

太田:そうですね、そういう認識で良いと思います。

中村:どういうシステムでBがついてる方がいいのですか?

太田:もちろん葉酸もビタミンB9なんです。

中村:葉酸もB9なんだ。

太田:そうなのです。その代謝の中でスイッチは葉酸だと思ってもらって、その葉酸がホモシステインを良いアミノ酸に変換してくれるのですけども、他のビタミンBはそれをこう手助けするっていうか応援してくれるのです。

中村:より効果的に効率よく葉酸を働かせることができるのですね。

太田:そうですね。まさに、まさに。

 

葉酸を摂取する時期

中村:なるほどね。だいたい婦人科に行くと葉酸摂ってくださいって言われるので、ドラッグストアへ行って、葉酸って書いてあるものでいいかなって思いがちですけども、より葉酸を働かせるためには、プラスアルファビタミンB、マルチビタミンが入ってる物を選ぶということなんですね。これ妊娠してから摂ればいいのですか?

太田:妊娠する前から摂った方がより良いです。

中村:妊娠後はどうでしょう。私が言われたのは、2、3か月までは葉酸を摂ってくださいって言われたんですけど妊娠。その後っていうのは?

太田:最近面白いデーターがあって、葉酸を6か月以上摂っていると、お母さんの産後のうつ病がリスクが減るというのがありました。その期間に関して難しい定義ですけれども、一度飲んだらなるべく長めに飲み続けた方がいいと考えています。

中村:妊娠初期だけではなくて、例えば瓶で買ったとしたら、瓶なくなるまでずっと飲み続けた方がいいですか?

太田:なくなるまで。なくなったらまた買いにいく。

中村:買いに行って買い足して。そうなんですね。とり過ぎてよくないみたいなことはないのですか?

太田:基本的にビタミンBってビタミン水溶性なので尿や汗などと一緒に流れちゃうのです。

中村:流れちゃうんですね。不思議。凄く為になりました。やっぱり悩むのですよ。ドラッグストア行くと沢山売っているので悩んでいたのです。私は妊娠用ってこう書いてあるものを選んでたのですけれども、更にそこからビタミンBが入ってるものを選ぶのがいいということですね。

太田:特に葉酸は多分パッケージ見ると多分葉酸が一番大きい字で書いてあって、その後他のものが小さく書いてあると思うのですけど、その中の小さい中でホモシステインという観点で言うと、ビタミンBを摂り入れた方がより良いです。

中村:サプリの選び方学びました。ありがとうございます。今回は川崎医科大学附属病院 産婦人科 副部長の太田邦明先生をゲストに迎えてホモシステインとはというテーマでお話を伺いました。ありがとうございました。

太田:ありがとうございました。
 

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Last Updated : 2022/Aug/26 | CH-20220818-26