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プレコンセプション期から産後まで、 
鉄や葉酸などの栄養補給を心がけて健やかな1000日を(前編)  
牧野真太郎 先生

貧血も、妊娠前の時期から対策をとるようにしていただきたいです。貧血は妊娠率にも影響します。

― ―妊婦さんはどうして貧血になりやすいのでしょうか?

妊娠中に貧血が起こるメカニズムについては少し誤解されやすいのですが、赤血球が減って起きているわけではないんです。妊娠するとからだの中の赤血球は増えますが、血漿、つまり血液の赤血球以外の成分がもっと増えて薄まってしまうことで貧血が起きます。さらに、おなかの赤ちゃんが鉄の成分を持っていきますので、お母さんは鉄欠乏性貧血になりやすいことも特徴です。検査値としてはヘモグロビン値やヘマトクリット値が下がることが知られていますので、気になる方はかかりつけの先生にご相談ください。

― ―妊娠中の貧血はどういった影響があるのですか?

まずみなさんに知っておいて欲しいことは、妊娠中の貧血はお母さんと赤ちゃんのどちらにも良くない影響を与える可能性があるということです。お母さんの貧血による赤ちゃんへの影響として主なものには早産がありますし、低出生体重児にもつながっている可能性が指摘されています。また、それ以外にも分娩時の出血が増えることや出産後の産後うつが増える可能性があるんです。個人的には、社会的にも問題になってきている産後うつとの関係は無視できないですね。

― ―なぜ貧血が産後うつと関係するの?

うつの発症にはセロトニンやドーパミンなど脳の神経伝達物質が関わるといわれ、これらの神経伝達物質がからだの中で作られる過程では鉄と葉酸が必要となります。特に神経伝達物質のセロトニンはすごく大事で、この神経伝達物質が出ることで精神が安定し幸せを感じたり母性にも関わったりしているんです。貧血と産後うつの関わりのメカニズムはまだ明確にはわかっていないためこれは仮説にはなりますが、これらの神経伝達物質の代謝に関わっている鉄や葉酸などの栄養が不足することが産後うつの発症のしやすさにつながるのではと考えています。

― ―産婦人科診療ガイドラインにも貧血についての項目が新設

実は、産婦人科の医師の間でも、妊婦さんの貧血とその悪影響については今まではあまり認識されていませんでした。診療の基本となるガイドラインというものがあり、各国のガイドラインには貧血について書かれているのですが、日本では貧血に関してまったく書かれていなかったんです。ですが今回、産婦人科診療ガイドライン2023年版には初めて貧血について記載されまして、妊婦さんの貧血を貧血のまま放置しないでくださいねとなりましたので、今後は全国の産婦人科の先生方が妊婦さんの貧血にもっと意識を向けてくださるのではないかと思います。

― ―いつからどんな貧血対策をすれば良いですか?

妊娠前から体の状態を整えることをプレコンセプションケアといい、これが最近とても重要であると注目されてきています。貧血も、妊娠前の時期から対策をとるようにしていただきたいです。というのも貧血は妊娠率にも影響しますし、妊娠初期の貧血は早産や低出生体重のリスクを上げてしまうため特によくないといわれているからです。からだの中で鉄の濃度が十分に上がり血液が作られるには時間がかかりますので、妊娠してからの貧血対策だとちょっと遅いぞということなんですね。もちろん、赤血球を作るときには鉄だけではなく葉酸やマルチビタミンが必要で、これらは複合的に働くものですので、妊娠前から栄養全般に気を配っていただければと思います。

 

牧野真太郎 先生プロフィール

牧野先生

順天堂大学医学部附属浦安病院産婦人科 科長 教授

 

順天堂大学医学部卒業。順天堂大学医学部附属順天堂医院 産婦人科医局長を経て、順天堂大学医学部附属浦安病院産婦人科 教授に就任。
2013年日本産婦人科学会ボランティア賞(気仙沼市立病院勤務)、2019年順天堂大学同窓会学術奨励賞、 2020年東京産科婦人科学会 ベストレビューワー賞などを受賞。

 

 

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※2024年1月 株式会社RJCリサーチ調べ インターネット調査 調査対象:産婦人科、産科、婦人科、生殖医療関連診療科 150名

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※2024年1月 株式会社RJCリサーチ調べ インターネット調査 調査対象:産婦人科、産科、婦人科、生殖医療関連診療科 150名

Last Updated : 2023/Dec/08 | CH-20231114-01